『あさっての方向。』
「過去を省みる出会い→願いが叶う→戸惑う→慣れる→去る→追う」と展開だけ書けば、最初に事件が起こり、その後の日常が描かれていっただけで特に新たな波はない。
内容は普通に時が過ぎていくだけだ。その作中の短い時間を実際には1話30分、正味22分もの長い時間を使い丁寧に見せ、一夏という長いようで短い時間を表した。夏といえば色々あるが、特に日差しとセミの声が強調されている。さらに、重要な場面では立ち位置による光と影や強い日差しに夕日といった光の使い方が特徴的だ。他には空の青さや海の青さも目立つ。
事実だけを並べれば、話自体は大したことのない作品であったが、丁寧な美術や音響を伴ったキャラクターのやりとりを通して過ぎていった時間が心に残り、毎週見てきた人には3ヶ月、そうでない人にも時間にして12話360分間を通して、各々に一夏を感じさせる作品だったでしょう。
溜まっていたのを見た。

『ときめきメモリアル 〜Only Love〜』第14話
幼馴染、金髪、ポニテ、アイドル、猫かぶり、S、武等派、名前がゆかりで声もゆかり。やってくれましたね。ここまで直球のキャラクターも初めてです。絶対に釣られんぞ貴様らー。じわじわと、どころか完全に釣られました。
と、冗談はおいて、主人公に対してゲームで言う所のNPCがあぶれ具合に対し僻んでくる展開とか、雨宮伝説を語るキバヤシと愉快な仲間達(適当)の一歩引いた上での友情のように真からも理からも全力で遠ざかる内容。加えて、この世界観に主人公さえもツッコミを放棄してしまうのはやっぱり取っ付き難くなっている原因でしょうな。
『DEATH NOTE』第17話
男の演者、特にオッサン連中が胸焼けしそうな程濃い。そんな中で、妹やミサに高田の浮きが激しい。その浮きが少年漫画の域を超えない範囲でしかない関係の中でやられると思うと引っ込んでろと思ってしまって残念だ。言い方は悪いけど、やっぱり男と男の絶妙なバランスで繰り広げられるやりとりの前には女子供は引っ込んでろと思ってしまう。狡猾さもなく無邪気なだけとか高田はあれだけど他は中々の技量なだけに勿体無い。そういうのとは縁遠い、次に誰を殺すか会議の雰囲気とか、本当にグッとくる。
『Yes!プリキュア5』第4話
5人出すって縛りの上なんだろうけど、4人目までが出た段階になってもとりあえず敵と闘うことに疑問もなく、闘いによって傷つくって発想に行き着かないのはどうかと。それをいったら話が進まなくなるとはいえ、何時までも騙し続けられることでもないので何時か触れる必要はあるかなと。今回と予告を見る限り、どうも5人目が戦士に変身出来るようになったからといって即打ち解けるような雰囲気がしないので、そこに絆が出来上がる過程で魅せてくれるものと期待したい。
『出ましたっ!パワパフガールズZ』第34話
みやこの家にお呼ばれして古めの和風屋敷に驚いたり、だけど、訳は掃除。天然娘の祖母が登場してこれまた天然。一仕事終えた後に食卓一杯に並んだ典型的手作りの食事を俯瞰で写していくカットが本当に美味しそうに見えて、本筋に関係ないのに手が込んでいた。あと、予告で飛んでるカットの次にブロッサムがヨーヨーするカットが来ていたけど等身といい雰囲気といい、次回は何かありそうだ。
「最近のアニメはつまらない。」「今のアニメはよく解らない。」と言う前に踏まえたいこと

まず、昔と比べると視覚的快感重視の作品であっても論理軽視が減っていることが挙げられる。つまり、視覚的快感重視の作品を求めているのならば、用意されている理が何となくこじ付けとか煩しく感じることになるかもしれない。また、幾つかのヒット作を経たことで、そこであった表現方が誇張されたものになっていることも挙げられるだろう。さらに、「価値観の多様化」や「共通体験の減少」や「共通認識の減少」が本当に起こっているのならば、それによって見え方に生じるぶれや蓄積から発見された形式の認知によって生じる作り物感を、ある程度一つの方向に誘導するために必要な論理性(人によっては言い訳やこじ付けとも言う)を持っている。つまり、その論理性を探していけばある程度話が解るだろう。また、設定が難解や受け入れ難いものについては、やりとりの内容よりもやりとりの事実を中心に追っていけば解りやすいだろう。

まとめ
・真に迫る作り物には感情の流れにも理がある。
・最近のアニメは表現法が誇張されているものがある。
・やりとりの内容が微妙でもやりとりの事実や勢いで見せるものがある。
・とはいっても、最後は見る人にとってつまるかつまらないかということにはなる。

個人的にはやりとりの内容が微妙だと作り物感が気になってしまって困る。
『武装錬金』第21話
敵の速攻に万事休すの後の状況を想像するのは容易であり、実際に想像通りなのだが、それが分かるカットに移ってから分かるまでの間の取り方が実に上手い。それは、見ている側とキャラクター双方にとって注意を断絶と復帰の間におこる感情の変化へ誘導していく絶妙な時間だ。話が盛り上がっているのだから面白くて当然という気もするが、こういう細かい作りによる効果があることも間違いないだろう。
『ロケットガール』第1話
主人公の住む世界や人物に状況の説明が中心の極めて第1話的な内容が中心だが、あくまで絵ややり取りの中でくどくなく、説明というよりは理解させる方式が取られていて好感が持てる。宇宙開発の中で主人公の少女がどういった価値観で行動していくにしてもある程度のストイックさは要求されるだろう。あと、意図していないと思われるが宇宙飛行士役で声がハチマチにはニヤリとしてしまった。
『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』第7話
夏休みとその終わり頃の怠惰でそれでいて焦りのある雰囲気が感じられる質感と演技。それに加えて、そこまで長い間しなくてもと思う程に細かいスローモーションによるキャラクターの持つ想像力の演出には驚かされた。学生生活における非生産的だが昂揚感のある出来事の有意義感に可能性を見出していくようで、今後それがどういう形で話に働きかけていくのかが気になる。
『DEATH NOTE』はキラとLのやり取りは独特の雰囲気を保ったままで出来ている。しかし、ミサのキャラクターがかき回しではなく乱れになる程に強い。そのことと心理戦での浅はかな考えとが相まって、全体の印象が陳腐に感じられるのが残念だ。ただ、BGMとか色使いの質感はかなり良い。それでもそう感じてしまうのは、細かな演技付けや演出以上にキャラクターが大事だということか。
『Yes!プリキュア5』で3人目が入った。はじけるプリキュアって、もう『ボーボボ』かと思った。天然がはじけるとか言い出して真面目にそれで通ってるから可笑しい。まあ、全員揃うまで各々の見せ場が続くので期待できるだろう。むしろ、全員揃った後のやり取りの方が重要。
『Saint October』はお約束でキャラが増えてきたけど、お金持ちやお嬢様が生意気言って貧乏探偵がトホホな目に遭う。これが、面白くない。むしろ、社長側のやり取りの方がまだまし。ジャッジメントで人が消滅するって必要性がないような現状がきつい。
『幕末機関説 いろはにほへと』は永遠の刺客やそれにまつわる因縁が明らかになった。「首が榎本に=オリジナルキャラクターは時代考証的にも話的にもNG→幕末の戊辰戦争→最後は五稜郭→北へ向かう→艦隊を率いる榎本」「同行者の座長が新たなる刺客として加わる=戊辰戦争で北へ→東照宮に寄る→東照宮といえば家康→家康は永遠の刺客」と実に理詰めだが、家康が永遠の刺客ということが話に生きてこないので、座長絡みのための理でしかない。折角組み立てた理なのだから話に生かしてこそとも思える。秋月が退場したが、危機を脱するためでもある復帰に期待したい。後、座長は何かにつけて可愛いので良い。
『Venus Versus Virus』はやっと出会いが分かってきて、敵がどういうものなのか見え始めた。人が変わってしまったものが敵だというのは理解できるが、まだ人が変質してしまう理由が分からないので、都合のためにそうなっているとしか思えない。恐らく業の深い問題があるのだろうが、早いこと理由を明かした方がこちらにとって受け入れやすいのは確かだ。
『奏光のストレイン』
星間戦争の最中、敵部隊討伐のために赴いた兄。敵を殲滅するもそれは本来の敵ではなく、人類が生体実験を行っていた宇宙人でした。それを直接知覚した兄はブチギレて宇宙人の生き残りの救出と邪魔する人類の排除を目論見ました。その煽りを受けた妹セーラは某名作劇場の主人公の名前通りの迫害を受けながらも頑張りました。やがて、彼女は理解され異端の兄を排除しましたとさ、おしまい。
どこからツッコんだらよいやら。まず、酷いことした宇宙人への罪の意識に囚われる兄。これは、近未来という設定ならば、人類は生物を食ったり実験に使ったりしてきた上で暮らしているはずで、そのことに対し滅するべきとまで思う罪の意識って子供ですやん。あと、一段落したように見えて星間戦争に何らの意味をなしていないとか、それだとストレインってロボットで闘う為だけにご大層な設定を用意しただけってことになる。もうちょっと、設定を話に生かせなかったのかと。この辺が細かいけど最大の弱点ですな。
前回、キャラクターのやりとりは背景となる思想や心情が大事だと書いた。しかし、キャラクターは滅多に思想や心情を表明したりはしない。では、思想や心情を読み取れるものは何なのか。それは、言動や行動の際の意思決定や言動や行動そのものやその蓄積だ。受け手は、そこからそのキャラクターの思想や心情を読み取る。そこで重要なことは、以前にも書いた一貫性である。一貫性のないキャラクターからは思想や心情が読み取りづらく、よく分からないとしか言えない。よって、一貫性のあるやりとりが重要だろう。

・まとめ
一貫性のあるやりとりが思想や心情を生み出し、それがまたやりとりを強固にし、そのやりとりが思想や心情を強固とする。つまり、フィードバックってことですな。
ロボットもの等ではSF面での設定考証がある程度必要だ。ただ、いくら設定を用意しようとドキュメンタリー形式でもないかぎりはキャラクターのやりとりが大事だ。やりとりといっても、それを成立させるための前提となる思想や心情も考慮すべきだろう。思想や心情が飛躍しすぎていたり的外れだと、やりとりそのものから作り物臭さが出てしまう。要は、世界観に見合う思想や心情というものがあるのではないかとういうこと。また、その思想や心情に見合ったやりとりがなされていれば、それは自然にキャラクターが動いていると見えるのだろう。よって、SFのような設定や世界観と同様にキャラクターが持つ思想や心情が納得のいく範囲内で読み取れることも大事だ。

・まとめ
最終的に、やりとりの背景にある思想や心情が納得いく範囲内で収まっているかどうかが大事
『古代王者 恐竜キング Dキッズアドベンチャー 』は世界中のどこでも反応があれば転移できるシステム。まあ、どこでもドアみたいなのが登場したので、世界中の有名地と恐竜が出てくるようだ。

『Yes!プリキュア5』は2人目のプリキュアの変身バンクが中々良い。幹部になりたい下っ端の悲哀や超設定とも思える異世界とか願いが叶うとかが折り重なって混沌としていて良い感じ。次回は演出担当がこれらのシリーズの中でもかなり上手い人らしいので、期待したい。
前にも書いたけど、『おとぎ銃士 赤ずきん』はいよいよ終盤だというのに相変わらずの敵との馴れ合い、オタ受け声のキャラ、ワンパターン。これ話としては死んでるけど、関連商品が売れているからOKって認識で大丈夫でしょうか。いやね、これで売れてなかったら救いがないような気がね、するわけですよ。
『ケロロ軍曹』では特番をせずに通常営業のテレビ奥東京というテレビ東京ネタをやっていて、これがテレビ東京系で放送されている番組でやられると面白さが増すというものだ。

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