『この青空に約束を』
当初からの寮を去るという予定調和のもと、その寮や仲間との日々の価値が出せるかどうかに作品の真価はあっただろう。
実際、処理を施した画像で今までの思い出を振り返る場面や、呼びかける時の呼ぶ側と呼ばれる側のキャラクターの特徴を上手く表した枕詞といった演出で、思った以上に良く見えた。
個々の回では、致命的な部分の多かった話を、無理矢理捻じ曲げて印象を変えるほどの力。演出の力は偉大なり。
『DARKER THAN BLACK・黒の契約者』第13話
以前、狂言回しの役割で登場した私立探偵が再登場。伊達だという思い込みや、勘による勝手な推理が的を射ていたりと、ずれまくっていた。そのずれと視聴者の俯瞰的視点とのシンクロが奇妙で面白かった。その彼が再登場した。今回は、組織の構成員に関る依頼であり、そこでの活躍に期待が高まる。
探偵助手のオタ仲間まで登場するなど、シリアス一辺倒の中でのずれたシリアスが、シリアスさを失うことなく重苦しさを緩和している。予定調和であっても、こういうキャラクター達の再登場は嬉しい。次回は、温泉でサービス。って、どこまで本気なのか。こういう話が、違和感なく収まれば言うこと無しです。
『遊戯王デュエルモンスターズ GX』第142回
ここ数回の展開は混沌としている。背負うものや気負いを持った相手とデュエルを楽しむだけに闘った十代。仲間の信頼を失い。仲間を失い。その果てに得た勝利の空しさは、心を蝕む。そして、悪の囁きに従い悪の覇王となる。残った仲間は、十代をもとに戻すために闘う。その過程での仲間視点で語られる十代という存在と彼や彼の周辺への信頼。
物語としては、主人公不在の中、覇王に挑む仲間それぞれが主人公として機能していて、散漫に見える。一方で、それぞれの仲間を通して、十代の存在や作品自体をメタ視点で問うような仕掛けになっていて上手い。
キャラクターとしてのアニキの解体と再構築が流行っているのだろうか。
『シャイニング・ティアーズ×ウィンド』第12話
パートナーから剣を取り出すという直球の設定があります。
色々あって、最強の敵を打ち倒す最強の武器が登場するわけだが、主人公だけそれを取り出せる存在である聖杯が見つからない。当然、焦る。次の台詞「俺の聖杯はどこなんだよ」女性キャラクター達、ドン引き。まさか、受け攻めの雰囲気がする相手からってことは、ないよな。と、二人の距離が縮まる中、ふと考えた。次の瞬間、剣を取り出す。「俺の聖杯はお前だったのか」流石に吹いた。
好感が持てない主人公の印象を更に悪くするような展開が続いていた中で、ここまで来れば、途中の物語とかどうでも良くて、結局根底にある直球を繕うための最低限のつもりだったのだろうなと。もっと早い段階で、こうやって笑える内容にしていてくれれば、イライラせずに見れたのに。次回も期待しています。
『らき☆すた』第12話
版権ものは本物をもじった名前に変える等して直接出すことを避けるイメージを持っていたが、宣伝効果のある場合は意外とOKが出てしまうのだろうか。
今回は、アニメ店長と杉田店員の演者ネタがあって、そのやり取りの中での動きが必要以上のオーバーアクションになっていた。動き自体も気持ちよく、それが会話のテンションをさらに高く見せることに繋がる演出にもなっていた。その上、本物を使ったあるあるネタとしても面白くて良かった。
『スカルマン』関西テレビ : 07/03(火)27:13〜
http://www.skullman.jp/

『ケンコー全裸系水泳部 ウミショー』テレビ大阪 : 07/04(水) 26:55〜
http://www.umisho.com/

『ムシウタ』WOWOWノンスクランブル : 07/05(木) 24:00〜
http://www.wowow.co.jp/anime/mushi-uta/

『ドージンワーク』サンテレビ : 07/05(木) 26:05〜
http://www.doujin.tv/

『ひぐらしのなく頃に解』KBS京都 : 07/06(金) 26:30〜
サンテレビ : 07/09(月) 26:10〜
http://www.oyashirosama.com/

『School Days』テレビ大阪 : 07/06(金) 28:05〜
http://www.schooldays-anime.com/

『ファイテンション☆スクール』テレビ大阪 : 07/07(土) 07:00〜
短編FLASHアニメ+キッズ・バラエティ
http://www.dle.jp/fight_tension_school/

『スカイガールズ』テレビ大阪 : 07/07(土) 26:40〜
http://www.skygirls.konami.jp/

『ななついろ★ドロップス』毎日放送 : 07/07(土) 26:55〜
http://www.nanatsuiro.com/

『ゼロの使い魔 〜双月の騎士〜』KBS京都 : 07/08(日) 25:15〜
サンテレビ : 07/11(水) 26:10〜
http://www.zero-tsukaima.com/

『さよなら絶望先生』サンテレビ : 07/09(月) 24:00〜
KBS京都 : 07/11(水) 25:30〜
http://www.starchild.co.jp/special/zetsubou/

『もえたん』テレビ大阪 : 07/09(月) 25:10〜
http://www.ink-chan.com/

『ぽてまよ』サンテレビ : 07/10(火) 26:10〜
KBS京都 : 07/10(火) 25:30〜
http://www.potemayo.com/

『CODE-E』ABC朝日放送 : 07/11(水) 26:51〜
http://avexmovie.jp/lineup/code-e/

『はぴはぴクローバー』サンテレビ : 07/19(木) 07:30〜
http://www.ciao.shogakukan.co.jp/happy2/

『バッカーノ!』WOWOWノンスクランブル : 07/26(木) 24:30〜
http://www.baccano.jp/
『神曲奏界ポリフォニカ』
神曲楽士の遺した自動演奏装置の演奏に歌を乗せ神曲にしようとする精霊。しかし、神曲を録音したものは神曲の紛い物であり神曲ではない。さらに、そのことが精霊自体の命を削ることにもなる。当然のように、正論による説得は意味をなさない。
そんな時、精霊との共存に反対する勢力による精霊の暴走を利用したテロが起こる。街からは明かりが失われ、その様は精霊と人間の断絶にも見える。暴走を抑えるために紛い物の神曲を奏でる精霊。街に響き渡るその曲に、ある者は曲を、ある者は歌を、ある者は手拍子を、各話に登場したゲストキャラも再登場し、それぞれが思い思いに乗せていく。そうして膨らんでいった曲は紛い物ではなく本物の神曲となって自体は収拾し、精霊達の光で街に明かりが灯る。それは、精霊と人間の絆であり、主人公自身にとっても、違う存在ではあるが共存の可能性を感じさせるものだ。そこへ駆け寄る仲間と手を取り合う二人。
そう、これです。作られた意識でない個々の意識が集合していって大きな流れになる。それを精霊の美しい歌声に乗せて1曲全部の演奏により見せる。普遍的幻想を具体化する高度な演出。底力を見たような気がします。
ちょっとした話の見せ方の悪印象や、ヤシガニ作品に数え上げられる全体的に低調な作画によって、最後まで通して見た人は少ないのではないかと思う。そうやってヤシガニ作品の括り以外の部分は忘れ去られていくだろうが、このラストの流れは後世に伝えていきたいと思わせるものがあった。良いものが見れました。ありがとう。
『BLUE DRAGON−THE ANIMATION−』第12話
事情を知らないシュウとドラグノフが交流を深め、事情を知って戦場で闘う。と、内容だけを要約すれば使い古された話ではあるが、「ドラグノフ特攻」というサブタイトルには違和感がある。
実際、ドラグノフは乱戦の中を無傷で当然といった態度で前進してくる。「強運」の通り名に相応しく、まるで弾の方がドラグノフを避けているかのようで、特攻というよりは、もっと別の何かに見えたし、無謀な闘いを挑んだわけでもなく、謀殺されたわけだから、これはおかしい。サブタイトル以外は良い出来でした。
『ひとひら』
内気な少女が演劇や出会いと別れを通して見せる姿は、咲かせた花と散ってゆくひとひらのようだった。
全体を通して一定の水準を保ちつつ、重要な場面では力が入れられていた作画は担当スタジオの底力を見られたと思う。カットや台詞で説明しきるのが難しそうな設定は、こちらの想像力に任せる形でかなり省略されていたが、説明尽くしの内容では人生の瞬間を切り取れるとも思えない。実際、瞬間の美しさと尊さが描けていたのだから、それで良かったと思う。。
後世に語られるような突出した作品とも思えないが、僕にとって、後世でも語る価値を感じる作品でした。
『TAMA&FRIENDS 探せ!魔法のプニプニストーン』第10話
説明抜きで、お約束やパターンが大量に散りばめられてあって、かなりの部分をそうやって省略してあるのに、結構見れてしまう。キャラクターが可愛いせいだろうか。視聴対象がどの層であろうと、キャラクターが魅力十分ならそれなりに見られるということか。浅いけど深い。
『ロミオ×ジュリエット』第10話
たぶん一番有名な場面。その場面に、俯瞰的な角度からだけではなく、それぞれの主観的な角度からのカットも加えてあった。そういう見せ方で、傍観者よりも当事者に近い感覚で見られるようになったと思う。そうなると、ハッピーエンドに期待してしまうわけだが、原作の結末をしっているだけに、他の作品よりも落ちへの運び方が気になってしまう。
『英國戀物語エマ 第二幕』第10話
サブタイトル通りの「窓辺」が鍵となる話。窓辺での告白で、ウィリアムが下でエマが上の構図は、ロミオとジュリエットのそれに見立ててあるのかなと。小説の中でしかなかった恋愛が、貴族から平民へと普及していく時代背景まで考えると、これは中々に意義深い。
『ぼくらの』第10話
おじさんが入ってくるカットは、どう考えても犯されるのではというリードに見えた。それがミスリードで、居心地が悪いけどなんだが良い話にまとめられてしまって、先が読めない。
胸糞は悪いが独特の魅力を放っていて、つい見てしまう。次回もそうなるでしょうな。
『ワンピース』第312話
道具であると同時に、一緒に旅をしてきた仲間でもある船との別れ。それだけで一話が作れてしまうし、それに見合った力が込められていて、実際に視聴者も何百話にも渡って見てきており、場面を回想していく過程でもそれが増幅された。言葉で説明しきれない感動があったし、出来も抜群。流石です。
『BLUE DRAGON−THE ANIMATION−』第11話
早期にボスと対峙した場合、力の差によって致命的な結果を招く可能性がある。そういうなっては話が続かないので、あれやこれやの状況やそれを作るための条件が用意される。それらに妥当性が感じられなければ白けてしまうだろう。今回の話はそれが上手くまとめてあって、キャラクターの性格や伏線に繋がる仕上がりになっていた。恐らく、業界全体が出来て当然というには厳しい制作状況にある中で、それが出来たことに賞賛を送りたい。
『きらりん☆レボリューション』第62話
新キャラクターの生意気新人。その演者が下手過ぎる。しかも、きらりの演技が下手だという台詞まであって、こんな皮肉もないでしょう。視覚情報と聴覚情報が大半を占める映像作品において、演者の占める割合がいかに大事かを伺える内容でした。話の筋が王道だけに余計に台無し感が強調されていたもの残念。
『ウエルベールの物語』第10話
実際に絆が生まれるだけのことがあったかといえば怪しいのだが、それでもそういう前提で作られた話として破綻なく完結していた。やりとり自体に違和感や破綻がないというのは、あたり前のようだが難しく、大事なことだろう。この作品はその点に集中している。
『らき☆すた』第10話
どう見てもアニメ店長とラミカで声も。パロディーやコラボレーションを高レベルの作画でアクションさせるという願望が、前フリなしで叶ってしまってやりたい放題としか言いようがない。まさにサブタイトル通り。
『DEATH NOTE』第32話
高田再登場。声が……。まあ、これだけガチに作ったら演者もガチにするという、作り手の熱意なのだろう。実際、ある程度の演技力がないとリアリティーが成立しないので、好判断。ここまでガチに寄せてきてると続きが見たくてたまらない。
『ハヤテのごとく!』第11話
人生の価値とかの胡散臭い内容が上手くええ話にまとめてあって、そのことは悪くない。そういう流れの中でパロディーや崩しを上手く使うのが、この作品の持ち味ってことでしょう。ただ、関西弁キャラの関西弁が似非っぽいのは不味いと思う。声質なのか、そういう演技でOKということなのか。メタ関西人で笑いが取れるほど甘くはないと思うから、演劇の発声中心で関西弁のイントネーションを違和感なく混ぜるのが難しくても頑張って欲しい所。

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