『アイシールド21』第113話
カットの繋ぎで動いて見せるのは、アニメの持つ省略の美しさかつ省作画な方法ではある。しかし、OPはそうでもないが、本編のほとんどの部分で一定以上の省略により、躍動感を感じられないものになっていた。
それが、前回のドラゴンフライの辺りから、動作を連続して見せるようになってきたので、躍動感が増してきた。分かりやすい悪役が登場したこともあって、それが生きてきている。
作中では半年となっているが、視聴者にとっては1年以上待った雪光が逆境にあって登場する場面とその後の活躍は素晴らしく、見続けて良かった。おまけコーナー全体の雰囲気、特にアイシールドに映る蛭魔とそれを通して見える瀬那の顔も素晴らしかった。
後は、この調子が長く続けば言うことない。
『ひぐらしのなく頃に解』第1話
オッサン連中が後年になって再会する形でシリーズが再開するといった話。
前のシリーズからの続きというか、並行世界といった印象がより強調されていた。宇宙人とか陰謀とかが出てきて、最早推理ではなく並行世界の物語であることが見えてきた。その物語の行方に注目したい。

これは……

2007年7月12日 1話雑感
『もえたん』第1話
一部で話題になったネタ系の英単語帳のキャラクターを使った作品。
キャラクターだけ使った別物かと思ったが、意外にも英語の勉強が出てきたり、魔法少女ものの展開が成されたりと、ベタをベタに繋げている。そのベタさ加減と崩しには、不覚にも笑ってしまった。
アドリブに期待できる演者もそろっているわけで、期待できそうだ。

希望

2007年7月12日 1話雑感
『さよなら絶望先生』第1話
唐突な原作者のパラパラ漫画から始まり、大正浪漫風の雰囲気と、首吊りのミスマッチが面白く。映像の出来も良い。
ちゃんと短編コントになっている所とシャフトが育ててきた演出との噛み合いは、当たり前といえば当たり前だが上手い。
この先も、突っ込んだものが見られると期待しつつ絶望したい。
『ガン×ソード』
カギ爪の男の胡散臭さと、それに同調する某作品と演者が同じキャラクターの薄っぺらさ。問題をすり替え、詭弁を弄する相手に「訳分かんねえよ、馬鹿」「てめえが俺を怒らせたからだ」と言える主人公の気持ち良さ。分かり易い暗喩を組込みながら、話として上手くまとめてあって、それが破綻無く最後まで続いたことが素晴らしい。
とりあえず、童貞、吹溜ってる奴、竹○Pの番組を支える心理が嫌いな奴、が居たら今すぐこの作品を見なさい。
『ゼロの使い魔・双月の騎士』第1話
事実上の13話ということになるのだろうが、全くもって作品の雰囲気が別物になっている。
前のシリーズで、あれだけ気取って引っ張ってた二人の気持ちは既に通い合っているし、異世界からの客だった主人公は馴染んでいる。主人公が他の女に目移りして、お仕置きの展開は、某作品の電撃ですな。何となく気取っている主人公と、わざとくっ付かないようにツンツンし過ぎなヒロインの雰囲気が、シリアスかと思えば致命的な展開だった前のシリーズよりも、こういう展開の方が気楽ではある。
あまりに印象が違っていて、心がざわついてしまったが、これは期待して良さそうだ。

ベタではある

2007年7月11日 1話雑感
『ななついろ★ドロップス』第1話
別の世界とか、虹の雫とか、敵キャラとかの世界設定はわりと動でも良いだろう。
使い魔的役割のキャラクターが、実は人間であるという情報差を生かした小恥ずかしさとか、そういう目線を通して見えてくるテーマがあればそれで良いと思います。

散漫

2007年7月11日 1話雑感
『スカイガールズ』第1話
のっけから壮大な世界観を全部台詞で説明してしまって、そのこと自体は他に上手いやりようもないので悪くはない。しかしながら、それぞれのキャラクターが同時進行で候補生に選ばれていくことを映像でやったせいか、散漫とした印象を受ける。むしろ、ガールズを候補生にするためにあれこれ用意した設定を話に生かせるかとか、ちょっとした行動や考え方に影響を与えたり、それによって設定を思い返すような方向で生かせるか。
スカイの機械自体は面白そうなので、いかに心理にらしさを見せられるかが鍵かなと。
『School Days』第1話
青春といえば、学生時代、打ち込むもの、恋愛ってのが相場で、この作品は恋愛のようだ。
そこそこ女子に人気の主人公とか、世話焼きの女とかが、現実味があるかどうかは分からないし、どうでもいい。むしろ、そこでのやり取りや、見せ方が見所だろう。世話焼きの女が心底面倒臭そうな雰囲気なので、泥沼の予感がする。

健闘

2007年7月10日 1話雑感
『ドージンワーク』第1話
実写であるBパートについては、特に言及しません。
いちいち誤解を招くような台詞が続いて、その誤解や反応が面白い。スーツスタイルのジャスティスの胸元は、完全とは言い難いものであったが、かなり健闘していたと思う。そうやって、細部にも力が入っているように見えたので、期待できそうだ。

生理的嫌悪感

2007年7月10日 1話雑感
『ムシウタ』第1話
蟲が憑り付いてとか、組織と対立する別の集団とかの話。蟲が生々しくて気持ち悪い。
台詞で過剰に説明しないのは良いことだが、見せ方での説明が不足していて、動きで感情が表現されてもいない。
ありがちな設定によってメタ的に補完しているから見られているものの、論理の肝心な部分は作品内の要素で見せるからこそであると思うので、次回以降に期待したい。

過去の遺産

2007年7月9日 TCG全般
過去の遺産となりました。
『ウエルベールの物語』
大方の予想通りの展開で予想通りの結果が起こった。そういう意味では、2期が決まっていようと忘れ去られていく作品だとは思う。しかしながら、王女が甘い行動を取れば反省するというように、物語上の出来事と理由やその説明が、物語へと還元され物語を補強していた。これは、物語が本来抱えている御都合主義的構造に対する真摯な姿勢であり、そうやって姿勢が一貫していたことは素晴らしい。また、キャラクター毎の情報格差が、次の流れに繋がることも上手い。
2期シリーズに期待しつつ、ひとまずお疲れ様でした。
『ケンコー全裸系水泳部 ウミショー』第1話
艶と肉感のある水着姿や裸が売りの全てであろう。実際に、それらの作画は力が入っていた。過去に何があったか容易に想像できるが、それはドタバタを始めるための設定でしかないだろうから、いかにエロラブコメするかが要か。
U波とはいえど、裸やパンツは基本的にNGか自主規制だろう。しかしながら、パンツが駄目ならブルマのノリで、水着がパンツっぽく見える場面があったので、期待しても良さそうだ。

小気味良さ

2007年7月6日 1話雑感
『スカルマン』第1話
編集長との内内の話での手振りや口調を生かした雰囲気作りが上手い。サブタイトルの出し方や必要以上に台詞で説明しないというのも良く、そこから斜め見下ろしや大立ち回りにつながる流れが滑らかで上手い。
上手い滑り出しながらも、著名原作者の作品ゆえに、完結するのかが不安ではある。
『のだめカンタービレ』
音楽によって得られる感動は聴覚によるものである。一方、アニメは映像媒体であり、視覚を中心とした総合的な見せ方に感動がある。よって、それをどう置き換えて表現するかが演出の見せ所であるといえる。
実際には、曲の全部を聞かせきることやCGによる演奏者の手元が全体を上手くまとめていた。ただ、途中で入る観客の薀蓄や感情の吐露は、仕方ないとはいえ、同調できるものではなかったので、その点は残念。
最初のオケでは、それら加えて、3回パン(カメラの3回振り)やハーモニー(劇画調等のタッチの違う画での止め画)が使われていて、演奏以外の部分が静的であるのに躍動感が出ていた。
特に、最終回のオケでは、3回パンのパン1回毎にズームしていく演出があり、その圧倒感は凄い。直後の4回ハーモニーとのコンボは圧倒感を更に引き上げている。それらの視覚演出に加えて、これまでの振り返りの貼り付けを見せる。その過程では、他の演奏場面と打って変わり、モノローグのみで観客の台詞がないのも大きく、集大成として見応え十分だった。演奏終了時のハコ内の反応を見せずに場面を切り替える演出もにくい。
才能を持ったキャラクター達の話でありながら、才能そのものではなく、それを持った上での機会や出会いとそこでの選択に比重を置いた見せ方だった。それだと、凡人の俺にも置き換え可能な内容なので、感情移入しやすかったと思う。ディティールを高めることによって底上げされる雰囲気の質を演出に使うことは挑戦的であり、見応えもあり、素晴らしかった。
再アニメ化による完結に期待しつつ、今はひとまずお疲れ様でした。
『sola』
たとえ永遠の命を持っていても、失った絆は埋めがたい。思い出であっても、掛け替えの無い絆というものはある。それぞれの命の長さは違うのだから、そうやって良い方へ意識していかないと辛い。日常を通してそれを意識させ、埋め合わせる話。仮初の命を賭けて少女を救う話ともいえる。
特に面白かったというわけでもないけど、作画が致命的に崩れなかったことは良かったし、活動的ながらもウィスパーボイスなヒロインが新鮮で、それなりに毎週見れた。1クール作品はそれで良いと思います。
『英國戀物語エマ』
時代ものは、今の時代の常識で推し量れば、おかしな点が多々あるものだ。それに加えて、落ちの大筋が予想できて実際その通り進む作品の場合は、途中が少しでも間延びすれば、それを余計なものであるかのように感じやすい。昨今の作品サイクルの速さがそれを更に後押ししている。
その点、間延びもほとんどなく、およそ余計な場面と呼べるものもほとんどないので、テーマがありふれていながらも濃い内容だった。それに、作中の時代としては異例の決断であるが、それは今の常識によって決断されたものでなかったのも大きい。この作品の雰囲気は、現代の常識や知識でいじっても成り立つ雰囲気ではない。そうやって、淡々としていながらも細部まで作りこまれていて、そういう配慮が積み重なり、じわじわと作品を押し上げていたと思う。
おそらくは作中の時代もそれにあたるだろうが、昔の恋愛小説は悲恋や心中で終わるケースが多い。しかしながら、大方の予想通りで終わったのでほっとした。それでも全体に漂う破滅の綱渡りが娯楽としての恋愛ものの真骨頂ですな。
何はともあれ、完結して良かったです。お疲れ様でした。
『セイントオクトーバー』
最終回は流石に気合の入った作画だった。それでいながら、笑いの分かっているテロップがあったりと、いつも通りの安っぽさと真面目さが交じり合っていた。
決着がついた後、小十乃が、否定されながらも迷いなく現状を力強く肯定する場面は、積み上げてきた時間に意味を感じられるものだった。積み上げてきた時間の中身に意味はないけど、積み上げてきた時間があったことに意味はあった。
全体的に、安っぽいけど真面目さがあって、それが笑える作品でした。2クールもどうやって引っ張るのだろうと思ったけど、意外に引っ張られました。お疲れ様。
『出ましたっ!パワパフガールズZ』
黒い光を封じるためには、白い光を取り出さなければならない。それは、ヒーローとして正しい行動が、ヒーローを辞めなければならないこと同意である。
それを知った後の迷うガールズ達。そこで、ピーチがただのロボット犬に戻ってもケンとの友情は消えないからそれで良いと言う。その決意がガールズ達を導く場面はグッときた。落ちは都合が良過ぎる内容だけど、それさえも許容できる作品だった。
基本的には無軌道ながらも、要所要所で真面目な話があって、最後の最後はヒーロー自体を問うことまでした。それは、ヒーロものというジャンル自体を、力強く肯定するものだった。そういうものがキッチリあったことは素晴らしい。
一年間楽しめました。ありがとう。

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