『CODE-E』第4話
科学は万能で人を幸せにすると信じて突き進む。と今更言われれば馬鹿馬鹿しいが、ことあるごとに真っ直ぐな台詞を見せられると、好感が持ててくる。
そういう本編に対し、見るからにスパイの二人組みの役所でのボケ加減が、ズレの基本に忠実で面白い。
『さよなら絶望先生』第4話
完成版のOPだけでなく、本編もエロく混沌としてきた。さらに、全体的に暗い色使いなことが怪しさを加えていて変な気分。絶望のズレ加減も上手く、そういう作風が挑戦的な演出を許容するので、この先も期待できそうだ。ただ、OPが完成していなかったのかあえて引っ張ったのかによって、スケジュールの破綻が不安ではある。
『ルパン三世 霧のエリューシヴ』
ここ最近のテレビスペシャルの中ではまだましな方ということにしておこう。主な要因としては、現代を舞台としていないこと、致命的な破綻がないこと、作画陣の充実が挙げられる。それでも、過去で巻き込まれて何となく義賊をやったり、悪役があまりにも小物過ぎる点は良くない。まあ、大塚さんのアイキャッチや友永さんの原画への参加が見られただけでも良しとしないことには、ラストのルパンの子孫のジャケットの色への落胆というか眩暈に耐えられそうにない。
『ゼロの使い魔・双月の騎士』第4話
ルイズと才人の照れ加減が合わさって、見ていて気恥ずかしく非常に萌えました。他のキャラクターも含めてこういった萌えのための言動や行動を破綻なく取るだけでなく、それなりに大筋の話にも破綻なく噛み合っている。その点で今回のシリーズはかなり良い。
『コードギアス 反逆のルルーシュSP』
充電期間があったからか、作画も上々で前回の続きが展開された。しかしながら、キャラクターの持つ心理というか思想について写実のものを持ってきた甲斐のない仕上がりに落としてしまった印象を受けた。特にEDのシーツーのモノローグがそれを強調していたと思う。
現実の世界のものを使えばある程度写実性があがるのは間違いないが、キャラクターの心理や思想のようにコアな部分では、現実の世界がどうであろうと、もっとこの作品に見合ったものがあると思うし、そこへ近づけていった方が写実へと近づけるのではないかなと思った。
『電脳コイル』第12話
サブタイトル通りに発毛するわけだが、なぜかシミュレーションゲームのような展開から人類の業を問うような哲学的な内容にも発展していった。こういう内容を許容できることがこの作品の魅力でもある。原画に監督の名前があったけど、爆発ってことでしょうかね。

挑戦

2007年7月27日 1話雑感
『バッカーノ』第1話
のっけから作品への事故言及とも取れる物言いで物語の主人公について延々副社長が語っていくわけだが、相変わらずの若本節で、段々と同じキャラクターへの呼びかけだけなのになぜか笑えてきた。
で、肝心の話はというと主人公が誰かという会話によってオムニバスにそれぞれのキャラクターの状況が見せられ、その中で一本の話に繋がっていく形式が取られている。この辺に関しては写実系を好む人にとっては受けが悪そうだが、僕は楽しめた。ただ、マフィアのタイゾーンが怪しいのは気になる。
実際、OPはよい出来で、同様に本編の作画も充実していて、このまま仕掛けが分かっていくのであれば十分見られるし、予告のようなアドリブにも期待したい。
『ながされて藍蘭島』第17話
魔法で動物と人が反転するというベタ過ぎる話。反転したキャラクター達が反転前の特徴そのままに可愛らしい姿になったり、格好良くなったりと。
反転の中間にいた主人公達は半端な獣耳になり、トンカツはリアル豚になっても可愛かったりと抑える所はキチンと抑えていて上手い。
『遊戯王デュエルモンスターズ GX』第146話
美形が病魔に蝕まれるのは、直球過ぎて笑ってしまった。デュエルとはいうものの、融合恐怖症の克服のための修行にしか見えなくて、そういった過去の作品の財産が上手くアレンジされている。
『DEATH NOTE』
絶望とそれに呼応するかのような黄昏を意識したような色の抜けた画面や、誇張した表情は写実的ではないが真に迫るものがあった。この作品は全体的に心象を誇張した画で見せることが多かった。
人が人であるがゆえに越えがたき業と、新世界といえどもそこに存在するのは人でしかなく、神などありはしないということが強調されていた。信仰の対象は美しくなければならないことや、お本質的には人の持つ概念であることと、その空しさを強調するかのような月の綺麗な死に様とリュークのモノローグ。
第2部に入ってからの展開の早さとあっけなく感じさせる終わらせ方からして、第1部のLと月の対決こそが作品の根だったのかなと思った。
『Yes!プリキュア5』第24話
適度な時期の適度な新何とかは、言ってしまえばスポンサーの新商品でしかない。しかしながら、それ以上の意味を持たせることにアニメの魅力がある。
敵の心理攻撃に陥落した仲間を救い出すために乗り込んだものの自分も同じ攻撃にあうことになるも、跳ね除ける強さとそれを通して仲間を救い、その絆とそれを体現するかのような新必殺技。これで盛り上らなければ嘘というもの。
『電脳コイル』第11話
原画陣の豪華さだけでなく、デンパや見ているこちらの感じる不安通りに段々と取り返しが付かなくなっていく展開と、それだけで1話を引っ張るだけの構成の巧みさが素晴らしい。
細かな伏線もあって、それらが整合性を保ったままで高水準を保っていることも素晴らしい。
『おおきく振りかぶって』第15話
OPのバックホームのカットを見ていて気付いたが、モンタージュでも内容は伝わるが動き全部を見せた方が、実際に体を動かしているものを見る体感に近いものが得られるなと思った。心理戦のやり取りだけでなく、そういう細かな点にも力が入っているから面白いのだろう。
『CODE−E』第2話
意味ありげな言い回しや、取り違えると誤解するような言い回し。それによって進む話は結構好きで、科学万能でないことが分かってしまった今よりも近未来に、科学の万能性を問うというのも良い。加えて、科学が世界ではなく個人の意志レベルで話を展開していくだろうから、期待できそうだ。

これはこれで

2007年7月19日 1話雑感
『はぴはぴクローバー』第1話
可愛らしいデザインで灰汁の少ないメインキャラに対し、脇を固めるサブキャラクターがアドリブの出来る演者。加えて、日常が中心なので話の自由度も高そう。これはこれで期待できそうだ。

色設定

2007年7月18日 1話雑感
『モノノ怪』第1話
時代ものの雰囲気でありながら、色設定が現代のクリエーター系になっている。それでいて、真とか理とかの和風かつ哲学風味で衒学的な言葉を駆使して、隠された悪事とそれにまつわるモノノ怪と業を解決していく話。予定調和がスタイリッシュな雰囲気で提供されるのは、結構好み。まあ、日本人向けってことですね。
現状の市場における結果を見れば、消費者は映像において実写至上主義である。
実写の方が感覚として現実的であると捕らえやすいためか。
文学における写実至上主義と、映像における実写至上主義は似ている。
海外のアニメーションは日本のアニメと違って、3DCGのような技術を写実的な画作りに使うことへ力を注いでいる。そして、写実的なもので写実的なものを作ることがリアリティーの至上だと考えている節が見受けられる。
一方、日本のアニメは、非写実的な画や設定を前提とし、その上でシナリオを合わせ写実的な方向へ作ることが中心にある。
写実的でないものと写実的なものの織り交ぜで写実的なものを作る。そこから生まれるリアリティーに特有の魅力があるのではないか。
『タッチ』第91話
ランキング番組では見向きもされないが、好きな回。9回裏2アウトでセーフティーを試みた時の1塁への送球時の連続撮影のような演出。モンタージュによって、言葉数は少なくても、人の複雑な心が伝わってくる場面の数々。それらは、この作品がランキング番組で取り上げられることが、懐かしさからだけではないことの証明でもある。

『ドラゴンボール』第94〜95話
ジャッキー・チュンが天津飯に対して勝ちを譲る場面と、その後のやり取りの巧みさから、年長者としての理想的な姿と気持ちが伝わってきて熱くなった。ランキング番組では、必殺技や後の光線技ばかりが印象に残っているが、俺には肉体の激しいぶつかり合いばかりが思い出されるわけで、実際に見返してみて、それが事実だと分かった。

懐かしの作品とか伝説の作品だからというだけでなく、巧みな作品であること。それが、今見ても心が熱くなれる訳だと再認識できた。まだまだ奥が深い。

微妙な空気

2007年7月15日 1話雑感
『CODE−E』第1話
OPの独特のテンポにまず驚く。もう少し速ければ、アクションものだと分かるのだが、パッと見でジャンルが分からない。十年後という近未来において、残っていそうなローテクとありそうなハイテクの取捨選択が上手い。主人公の特異体質らしきものの特性が、台詞でなく見せ方で想像させる作りになっていて良い。見ている側にはそうでもないけど、主人公が思わず誤解してしまう台詞のずれで〆る次回への引きも良い。
作品の方向性は分からないが、次回以降も見たいと思わせるだけのものはある。
『ぽてまよ』第1話
赤ちゃんの喃語のような喋りをする「ぽてまよ」と思しき謎の人型生物が、当たり前のように受け入れられている違和感。「ぽてまよ」に殺到する生徒達に無視されたままの先生さえも追求を諦めたまま進行してゆくことの違和感。さらに、成り行きのまま命名されたということも判明し、じわじわ来た所でAパート終了間際。ナレーションに「ぽてまよタンかよ」と呟きながら笑ってしまった。これは狙っているだろう。
Bパートは「ぽてまよ」の同類が現れ、恥ずかしがったり、餌付けされたりと、喃語ながらも心情がちゃんと読み取れるように作られていて上手い。
芸術的にではなく、劇的に面白いこともないものの、娯楽として見られる作品ではある。

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