テンポ

2010年1月9日 1話雑感
『デュラララ!!』第1話
キャラクターを網羅したOPが『バッカーノ!』と同じ手法で素晴らしいが、比べるとこの作品は歌が余計に思えてしまう。引っ越してきた主人公が友人に案内されることで、今後の拠点となる池袋と人物を説明する由緒正しき第1話といったところ。ただ、時系列上は過去になるチャットのログを現在である場面から切り替えずに、画面上に載せることで見せるやり方が時系列を断絶している印象を受けにくくさせていた。その上、時折挟むチャットのログも時間と共に進んで行き、最後には追い抜いてしまった。時間とかテンポの意識が明らかに上手く出来ていると思うので、話の内容が気に入らなくても十分に楽しめそうだ。
『イナズマイレブン』第64話
最終的に初期メンバーと楽しいサッカーをするものと思っていたが、一段楽した後に最後の敵として登場するとは思いもよらなかった。早々に戦力外となったベンチ組が、今までの敵を凌ぐ必殺技を引っさげ、上から目線になって調子付いているのが妙に面白い。遠藤が自分に言い聞かせるように言う「勝つしかない」がこの作品らしからぬものだが、この試合の持つ意味を語っている。
盛り上がるしかない展開が続いているが、予想を少し外しつつも肝心な所は真っ直ぐにやり切る難しさを思うと、これまで続けてきたことが素晴らしく、最後になって必ず効いてくる。
『夏のあらし!~春夏冬中~』
上加茂の気持ちや距離感が縮んだり、あらしとの別れを適度に匂わせつつ、結局は何度目かの激辛フルーツでの爆撃ネタで〆る。夏限定とはいえ無限に続けられる話なので、話の進展がほとんど無かったのは物足りないが、個々のネタは楽しかった。前シリーズのような深刻な展開よりは、軽いノリの方が楽しくて好きだ。それに、軽い方がかえって、終わりと別れが切なくなる。

軽くて重い

2010年1月6日 1話雑感
『ギャグマンガ日和+』第1話
5分アニメなので展開は速いのだが、勢いを最後まで保って最後で落ちを付けるのが気持ち良い。印象派の巨匠達をわざと手抜きにデフォルメしており、紹介順にしょぼくなっていって最後のドガが毛玉になるのが馬鹿馬鹿しい。その上、子供染みた喧嘩をする直球の展開が面白い。前シリーズ同様、偉人ネタの切れ味がたまらない。
『たまごっち!』第13話
スペイシーブラザーズが街へ繰り出すもお店が閉まっており閑散としている。正月だからなのだろうが、ゲストで正月を知らないためか、宇宙人にさらわれたとか宇宙人は居ないとかボケかまし、最後の晩餐にと入ったワルカフェでぐったりした人達を見つけて逃げだす始末。広場のおじさんや他のレギュラーキャラが答えを教えてくれるのだが、実は正月だからではなく、単に年初めのごろごろするだけと決められたごろごろの日で、いわれてみるとゆっくりした展開だったので絶妙の外し方。
かと思えば、スケートのお話で、火の玉の同級生が入場拒否されるとか、どろっち君滑るというか浮いてるに、ござるっちのかんじきで滑れないと矢継ぎ早に馬鹿馬鹿しいネタの連打。お次は、滑りの苦手なラブリンを救うためペアを組むことに。まめっちはジェット靴を取ってきてお約束の空の彼方へ飛んでいき、くろまめっちはクールなヒーロー風にマントを買いに行ったのかと思ったら、マントの下がフィギュアの衣装をサンバ寄りにした衣装で真面目さが馬鹿馬鹿しい。最後は、ほぼ台詞なしだけどドヤ顔で滑っていたねむっちとペアを組む落とし方でなるほど。文字通り滑りを上手く使った楽しい展開でさくっと進んでいた。
今回は2本立ての作品で2本の話で緩急の対比になっているのも面白かった。
『フレッシュプリキュア!』第46話
ラビリンス国民の一団が商店街の皆さんと比べてとても陰鬱で病的な印象を受ける。その中の少女との交流によって、その一団をも救うことになるだろうと匂わせる。一気に四人でメビウスの元へ行こうとするも、分断されてしまってサウラーとウエスターとの最後の闘いになる。当然、諸共に消去してしまおうとするのは見えているのだが、それを受けて盲信者のサウラーが悟ったり、馬鹿で憎めないウエスターが無知の知で気付いてから犠牲になる展開、特にウエスターが愛すべき馬鹿として最後まで丁寧に扱われていて良かった。
前回のみんなに正体をばらしてから決戦に向かう展開も含め、最終決戦に向けた盛り上げが丁寧で面白い。

緩いな

2010年1月3日 1話雑感
『COBRA THE ANIMATION』第1話
初っ端から仮面で薄着のお姉さんが出てきたかと思えば、ヒロイン役も薄着、説明台詞を喋ったらすぐに死ぬおっさんを立て続けにやられると笑えてきてつっこむ必要すらなく思えてくる。緩い引き方だったのでCパートがあるかと思えば、実写コーナーでファン向け作品として古さの様式美とでもいうべきものがあった。全編そんな感じで、とにかく設定の説明とお姉さん達の薄着が分かりやすくて、特別面白い気はしないがまあ良いかとは思う系統の作品になりそう。
『増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和+』読売テレビ : 01/04(月) 26:14~
http://jumpsq.shueisha.co.jp/contents/gag10th/anime.html

『デュラララ!!』MBS : 01/07(木) 25:25~
http://www.durarara.com/

『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』テレビ大阪 : 01/08(金) 26:35~
http://www.sorawoto.com/

『バカとテストと召喚獣』テレビ大阪 : 01/08(金) 27:35~
http://www.bakatest.com/

『聖痕のクェイサー』MBS : 01/09(土) 27:28~
http://www.qwaser.jp/

『おまもりひまり』サンテレビ : 01/11(月) 25:40~(初回のみ25:55~)
http://anime.webnt.jp/omahima/

『はなまる幼稚園』テレビ大阪 : 01/12(火) 26:05~
http://www.starchild.co.jp/special/hanamaru/

『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』サンテレビ : 01/13(水) 26:10~
http://www.vampirebund.com/

『ひだまりスケッチ×☆☆☆』MBS : 01/14(木) 25:55~
http://www.tbs.co.jp/anime/hidamari/

『おおかみかくし』サンテレビ : 01/19(火) 24:00~
http://www.tbs.co.jp/anime/okami/

『のだめカンタービレ フィナーレ』関西テレビ : 01/19(火) 25:35~
http://www.nodame-anime.com/

『刀語』MBS : 01/27(火) 26:30~
月一放送
http://www.katanagatari.com/

『ハートキャッチプリキュア!』ABC : 02/07(日) 08:30~
http://www.toei-anim.co.jp/tv/hc_precure/

思考の整理整頓

2010年1月1日 笑い
時々整理しないと前に進めない性分ゆえ、新年を迎えるにあたり、日記を始めた経緯と推移を振り返る。

まず、ネット上のアニメの感想や批評に対して、明確でない部分や意図的な欠落に不満があった。それに対して、感想となぜそう感じたかを両方書くこと。特に、「感想」だけで「面白い、面白くない」「好き、嫌い」しか分からない文章は物足りないので避けた。同様に、事実を並べて作品外や作品を思想的に「褒めるか貶す」しかしない文章も避けた。あくまで、「なぜ」と自分にとって「どう」だったのかを併記することで、思考過程と結果が分かる文章を書きたいと思った。
同様に、分析紛いの行為に対しても、自分の主観を書くことで、先入観による分析の可能性を記述する。~史や~年代のような体系的視点での評価がどうであろうと、全ての作品に対して同じような分析紛いの行為を行っていないのなら、主観がその作品を書きたいと思う理由であり、先入観になりうるので、書いてあった方が、「ふーん。で、あんたはどう思うの」と物足りなさを避けられる。
次に、アニメファン以外にも薦められる作品やアニメファンに広く薦められる作品だけが評価される風潮、もっといえば、書かれないことで無かった事にされる作品の中にも面白い作品はあるんだと自分の感想を通して発信したいと思った。特に、その年のアニメ総評的な文章を読んだ時に感じたイラつき。ティーン以上を対象にしたアニメやその中で人気になったり話題性のあった作品だけを取り上げ、子供向けアニメやマイナーアニメの良作を無視して、その年のアニメ全体を評するおこがましさへの消極的反論の側面は大きい。でも、ランキングは書きやすくても絶対にしない。やるとしたら、丸い作品から順に並べるだろうが、それだと尖った面白作品が下の方で埋もれる。
そうして、書き始めてからある程度経つと、この先面白くなりそうな要素も無い作品を面白くないと書いても見るのを止めたらと思うだけで、アニメ自体の印象が悪くなると思ったから、余程に期待外れや思い入れを感じた作品以外は書くのも見るのもなるべく止めた。要するに、面白くないと思っているのに、最後まで見てその感覚を答え合わせするように、何でも答え合わせをするのが好きな性分のようだ。それに、思考過程を読むのも好きなのだろう。だから、他人にもそれを強いる。

2009年総括

2009年12月31日 就職・転職
今年も一杯見たな。今年は子供向けの作品が主ですが、かなり豊作でした。
終わった作品の中で、改めて書きたいことのある作品だけを書きます。

『Yes!プリキュア5 GoGo!』
子供向けとして夢をテーマにはしていたものの、好き勝手に作っている印象が強い。大きな子供にとっては楽しい作品でした。

『キャシャーン Sins』
答えの無いのが答えといば答え、各々の考える答えがある。生きるとか死ぬとかはそういうことだ。

『とある魔術の禁書目録』
名前とか設定とかが直感的に理解し辛い用語を使っているが、簡単に言うとアンパンチ。

『とらドラ!』
皆が皆、青い鳥を探す話。

『ドルアーガの塔 the Sword of URUK』
英雄も市井の人であり、帰るべき場所がある。それだけで気持ちの良い作品でした。

『みなみけ おかえり』
おかえり。原点回帰して、そう言える作品に戻って良かった。

『CLANNAD AFTER STORY』
統合出来るルートをおよそ全部統合したであろう前シリーズに対しては、凡作所か蛇足になった感まである。

『続 夏目友人帳』
あいかわらずの出来にホッとする。前シリーズと比べて明るくなった夏目の変化が完結まで映像化されることを願う。とりあえずは、3回目のアニメ化に期待。

『ゲゲゲの鬼太郎』
今更仕切り直せるとは思わないが、面白かっただけに本当の完結が見たい。

『戦国BASARA』
史実をコミカルに勢いよく捻じ曲げたギャグパーティー。勢いよく大ボスを倒しただけに、2期には注目だ。

『神曲奏界ポリフォニカクリムゾンS』
音楽を核にして繋がっていく輪の和が気持ち良い。

『東のエデン』
メタとして見られる部分に対しての期待に、本気の回答がなされるかどうかは劇場版次第か。

『けいおん!』
日常というミクロを時系列で提示することでマクロな物語に成り得たと思う。それぞれの日常にもそれなりの見せ場はあって、全体を通してのマクロな物語を期待しなければ十分に楽しめる。

『宇宙をかける少女』
こけた。メタな設定に対して、真面目に回答していれば良かったのだが、回答を放棄した。じゃあ、問題を提示する意味は無かったね。

『プリンセスラバー!』
メインヒロインは決まっているのだけど、ルートはまだ誰でも選べる感じに収めたのが良かった。ギャグ回の使い捨てキャラを本編に意味のある形で再登場させる誠実さも良い。

『チーズスイートホーム あたらしいおうち』
動物のキャラクター化は、いつも反則なんだ。だって、可愛いじゃないか。

『狼と香辛料II』
答え合わせの段で、いささか台詞で説明し過ぎたが、毎回会話が多い作風を通してきたからこそ、痴話喧嘩的に見られて、興醒めする程でもない。

『戦場のヴァルキュリア』
TBS系列で政治とか思想はすんな。ぐちゃるで。

『しゅごキャラ!!どきっ』
心の卵を通じて子供も大人も夢の隙間を埋めていくようで良かった。一通りイースター編が完結した点でも喜ばしい。

『東京マグニチュード8.0』
地震という災害をリアルに描いたのは良いが、人の心を幻覚で救済することは優しいけど自信の無さともいえるかな。

『ねぎぼうずのあさたろう』
滅多にない傑作。傑作という表現を使うのには、抵抗があるので滅多に使わないが、そう評する他にない。

『DARKER THAN BLACK-流星の双子-』
テーマや作り手の意図を明確に提示してくれたと勝手に解釈。

『WHITE ALBUM』
『WHITE ALBUM2』
最低主人公がミューズに気付く話。丁寧に演出されている分性質が悪い。

『獣の奏者エリン』
モンタージュの使い方が分かりやすく、人の営みをそのままに描くのが良かった。

『そらのおとしもの』
馬鹿馬鹿しく作っているものが、馬鹿馬鹿しく見えるのは素晴らしい。ましてや本気さが面白いなら尚更だ。

『空中ブランコ』
アニメが好きなのか、特定の作品がアニメでそれを好きなのかが試される作品。改めてアニメを好きなのがよく分かった。
『空中ブランコ』
全ての回が、12月16日の日めくりをめくるところから始まり、12月25日までの間の一定期間で終わるようになっていて、同じ精神科を受診し、同じ街に生きている。ある回の要素が、別の回で登場するのを発見するのも楽しい。何より、患者の描写が症例を調べれば忠実に表現していると分かるけど、あくまでコミカルに見せつつ、精神の深い所を象徴するような色使いで深刻さを垣間見させる匙加減が良い。
ほぼ常時が実写のマユミちゃんの存在も印象的で、ゲスト達の実写によってバランスが取れているというか、実写でなければならないなと思える。だから、時々アニメ絵になると違和感があった。テレビアニメのベタさは少ないが、作り手の下世話を押し通すだけでなく、作品全体で溶け込ませようとする姿勢が良かった。その上、最後の最後で直球でテーマを見せてくるのも分かりやすかった。
『そらのおとしもの』
妄想を、煩悩を、これでもかと詰め込み、手の込んだ映像で見せる。それが全てで、そんな都合の良い設定のために用意したエンジェロイドを使って、いつか訪れる別れに向けて盛り上げていく作品だった。特に、手の込んだ映像で見せることが重要で、下世話な作品なので技術の無駄使いに見えるが、あると無いとでは大違い。あって良かった。
いつまでも続くわけではないが、この先も楽しい日々が続いていく。そう感じさせる終わり方であり、完結しない以上はそれしかない方法を真っ直ぐに持ってきた。終わり良ければ全て良し。
『うみねこのなく頃に』
魔法が存在しないということは、魔女が存在しないことを意味する。魔法は存在しないのだが、現実で良い働きをするおまじないのようなものを、もっと具体的に力として見せることで魔法と解釈するのがこの作品のやろうとしたころだろうか。
事件はあくまできっかけに過ぎず、それを推理することや解決すること自体に大きな意味は無い。また、事件と推理を通して論理的に魔法の存在を否定することで、魔法の存在を否定すると称しているが、実際は事件に魔法が使われたことを否定しているに過ぎず、それが推理ものとしての意味である。
最後の最後で謎を提示して終わったが、その謎も解くことに意味があるのではなく、謎自体が作品のテーマとして機能する謎なのだろう。続編で提示されるであろうそれによって、作品は真の完結を見る。そういう仕掛けを読む分には面白い。というよりは、そうしなければ支離滅裂で残虐な描写のある訳の分からない作品だった。
『けんぷファー』
2クールかと思う展開だが、最終回は番外編だった。それは、良かったと思う。楓の内面について何も説明されないまま終わったのにと思うが、最終回で全部説明するには多過ぎるというか、それまでの話の意味が薄くなる。そう考えるなら、初めから深い意味など無さそうな設定の作品として、まだまだある続きに投げっ放す終わり方は特徴を生かせていたと思う。
『NEEDLESS』
コミカルな場面のやり取りで笑えなかったが、それは感性が合わないからなのだろう。でも、不思議と御都合主義の展開になっても、この作品らしいと思え、それを受け入れる余力のある作品だなと思えた。ニードレスの闘いにおけるニードレスであるクルスが、正統な主人公であったことと、終わり良ければでOK。
『獣の奏者エリン』
見立てを考えれば、シビリアンコントロールの模索の話なのだろう。しかしながら、そこでの軍事力は生きた獣であり、それを自然の獣としてあるがままの姿に導こうとするエリンは、奏者の術を使わずとも、立派な奏者だった。
要所要所での動物や虫、草木、その他自然現象のそれぞれで見立てを行う演出が分かりやすかった。そして何より、メタ視点を抜きにして考えても親から子へ連綿と受け継がれていく営みの話として面白かった。終わり方もラストカットも実にこの作品らしいと思える素晴らしいものだった。
『WHITE ALBUM2』
なるほど、ミューズか。そう考えれば、見立てと話の運びと行動に理がある。しかしながら、主人公の行動、特に相手の好意を逆手にとった浮気しまくりを代償行為とみるなら、自慰行為と変わらないな。まあ、全キャラのルートから話を摘んだ結果かもしれないし、よく出来た作品なのだが、それだけは好みに合わなかった。そんなものを終盤堂々と見せ付けてくれたイラ付く主人公は放って置いて、友達のトホホ君や女神達に祝福を。
『にゃんこい!』
順平と住吉がお互い踏み出して、恋の関係を意識することが無かったので、ラブコメとしては張り合いに欠けた。その割には、グループ交際が中心になって、猫が疎かにされる展開が続いており不安になったが、重要な話に猫が絡んできたので良かった。
一難去って、また一難の区切りを付けて、この先も続くお話を連想させる終わり方は、終わり方として悪くない。猫可愛い。住吉オッパイ。とりあえず、OKということで。
『DARKER THAN BLACK-流星の双子-』
今シリーズの鍵である「イザナギ」「イザナミ」から連想されるのは、天地創造であり、創造したもう一つの地球、それは蘇芳達のいる天国、あるいはいるべき場所として思い描いた楽園と呼ぶべきものかもしれない。また、黒にとって唯一無二の妹の代償であった銀と、対価によって若返り妹的容姿になったアンバーは物語の重要人物である。
また、黒の契約者では、猫が母、黄が父、黒が兄、銀が妹のような擬似家族を構成していた。一方、流星の双子では、猫が母、黒が父であり兄、蘇芳が妹、ジュライは弟もしくは客である。共通しているのは、黒が兄であることだが、流星の双子では初めは父になりきれないある中の兄だが、段々と父へと役割を変えていく。
「イザナギ」「イザナミ」は同時に生まれた神であり、双子的兄弟的だが、人間のように同じ母から生まれた兄弟とは意味合いが違う。銀は「イザナミ」だ。作中とは異なるが、概念的に「イザナギ」は黒だ。よって、それまでの擬似的な兄妹の関係を解消し「イザナギ」「イザナミ」と見立てることで、晴れて夫婦になれる。まあ、そんな作品だと考えれば、課長は妹の代償にはなれないし、「イザナミ」でもないのだから振られたのは当然かなと。
勿論、紫苑と蘇芳も正に「イザナギ」「イザナミ」だ。作中唯一の双子であることと、擬似家族における妹であり娘である蘇芳が擬似的存在であること、そして彼女は「イザナミ」の向かう場所へ。となると、銀も恐らくは……。しかしながら、紫苑は蘇芳を幸せな場所へと送るところが神話とは異なる。その優しさがこの作品の持ち味だ。
なるほど、分かりやすい兄と妹の物語であり、一見投げっぱなしと御都合主義的妄想を垣間見させただけに見えた展開も意味はあった。
『聖剣の刀鍛冶』
キャラクターや話の見せ方をステレオタイプに表現することと、裏山ボスのような重要な要素の説明不足によって、私にとっての脳内補完の許容を超えた。そのため、リサとリーザの関係や魔剣と聖剣、騎士と姫に可愛らしいキャラクター等の要素を惜しく感じる。
それでも、終わり方に辛うじて作り手の良心を垣間見られるのは幸いだろう。

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okm

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