『銀魂』第58話
新章突入もキャラクター達は相変わらずの無軌道。それぞれがちぐはぐでギリギリのやりとりを繰り広げて、それが本線へと繋がっていく作り。ドタバタで繋いでちょっとだけシリアスに話を進めたり落としたりといったパターンはとも言えて、手馴れたもので次回へ続く話の回では最後が引きになっていて上手い。提供クレジット時の文字も漫画の柱を思わせたり仕込があったりと、それらがアニメ版『銀魂』の持ち味。
『ながされて藍蘭島』第9話
恥らいが新鮮という程に開けっぴろげなキャラクターだらけだったことが浮き彫りになるが恥じらいの基準がずれていて、結局は開けっぴろげという話。総作画監督も参加しているだけあって弾力や肉感があって全体的に良好な作画。話の中身は薄いしくだらないことだからこそ、全体的に良好な作画が保たれていることは賞賛に値することだと思う。
『ぼくらの』第8話
全体の色調が暗めで音楽も暗め。キャラクターも軽薄で、特に今回出てきた先生の軽薄さときたら……。前回の予告で見たままの結果で、何度も気持ち悪いと地獄に堕ちろを連呼してしまった。出来は良い方だと思いますけどね。
『天元突破グレンラガン』第9話
作品の方向性というか作品そのものを象徴していたキャラクターの退場。それはあまりにも大きく、雨雲に覆われ全体的に暗い画面が作品内の輝きが失われたことを分かりやすく見せている。しかしながら、分かりやすいヒロインの登場とそれによって巻き起こる事件が主人公と作品の再起となることが想像できるので心配はなさそうだ。ちょっとダイモスっぽいかな。あしたのジョーといい、制作者の好みが直球で分かりやすくて良い。
少年、兄貴分、ドリル、ロボット、合体とくれば、残るはヒロインでしょう。
『Yes!プリキュア5』第17話
記憶違いじゃなければ、今シリーズ二度目の青山充1人原画回ではないかと。作画フル稼働状態の今、こういう豪勢なことをするのは今まで以上に作品へ力を入れようという姿勢に見える。内容も充実でキャラクターのやり取りの面白さはシリーズで一番に思える。慣れてしまっていないのが良い。
『神曲奏界ポリフォニカ』第8話
全体的に動機たりうる論理性がすっ飛ばされていて唐突に感じる。1話完結の形式ゆえにある程度しかたないにしても、キャラクターがこれまで過ごしてきた中での辛さの説明が二言三言と数カット程度で良しとするのは少々乱暴だ。この作品では絵がまだましな方だったのがせめてもの救いか。
『瀬戸の花嫁』第8話
20XX年、学校は荒廃していた。といった感じで荒んだ空気の中で繰り広げられる異質な歌謡勝負。トリップした観客達との壮絶で簡略な肉弾戦。緊張した歌謡勝負と弛緩した肉弾戦の緩急が上手い。CD販促だろうと何だろうと歌謡勝負には力入っているなと。何だかんだで居候も増えてといったお約束も踏まえ、勢いは最高潮でこれぞドタバタ。一通りの面子は揃ったと思われるので、次回以降の展開にも注目したい。
『ひとひら』第8話
作中での半年間の積み重ねをこれまでの7話の回想によって感じるキャラクター。それと同様に見ているこちらも作中での半年間を感じられるか。そこに、これまで積み重ねてきた演出とその真価が問われていることは確かだろう。
実際に、そのシーンに至るまでのシーンは作画に力をいれていることが分かるし、原画の人数からも逆算できる。キャラクターの感情を絵の力に変換して喚起することは、見ている側に伝わり易いと思うし、台詞や演技との相乗効果も大きい。
正直、先輩達の確執とそこに至る過程の見せ方が不十分だとは思う。それでも、麦が奮起できるなとは思えたので良かった。
『ロミオ×ジュリエット』第6話
革命とその中での恋愛による2枚看板の構成でいくことがはっきりと感じられた。ロミオとジュリエットが惹かれあうことは見せ方として弱いけど、作画や演出にそういう決まりだと割り切らなくても受け入れられる力はある。
この先、革命に伴って名もなき者達の意思が熱を帯びていくのは必死であろう。その時になって、ロミオとジュリエットの愛だ恋だといった私的でミクロなことを革命という公的でマクロなことと並列されていくことで、彼らが軽薄に見えてしまうのではないか。毎回の予告で「本当に実らぬ恋なのでしょうか」という台詞を聞く度に不安に駆られる。
私的な恋愛と公的な革命を物語として破綻なく見せるための手腕に注目していきたい。
『のだめカンタービレ』第17話
才能の有無。そのことに対する自覚の有無。そういったことがテンポ良い構成とコミカルなやりとりの中で当然のように描かれていて、その点は上手い。才能のある奴は努力もして結果も手に入れて通過儀礼も通過して当たり前のように大人になっていく。当然それに対する事故言及などあろうはずもない。出来はいいのだけど、俺には共感できない。しかしながら、のだめの天然加減のおかげでギリギリ見ていて辛くないのだろうなとも思う。
『英國戀物語エマ 第二幕』第6話
ステレオタイプに見せることによって約束事のように機能していたキャラクターが、想像以上の深謀遠慮によってそういう行動を取っていた。そのことが第1期から時間を掛けてきたことに加わった新たな事実により、濃厚に伝わってきた。まあ、物語の布石が利いてきただけともいえるけど、過剰制作になっている中でそうしたことが出来ているのは良いことです。
『Yes!プリキュア5』第16話
自分の書いた作品への意見はありがちだろうが、実際に身近な人から辛辣な意見を受ければ、再起不能なほどに心を痛めつけられるのも事実ではある。
今回は、それぞれのキャラクターの特徴が掴めていたことで、メインのこまちも文学少女という種別分け以上のものが伝わってきた。再起の過程も上手く仕上げてあって救いがあった。
『天元突破グレンラガン』第8話
想像通りの展開で想像通りの結果になった。復活しても気合の一言で済ませられそうではあるが、柱を失った上でどう振舞い、成長を見せていくのか。むしろ、柱を失ったのならば必ず柱の代わりを果さなければならない。そういう定型の先を目指してくれるのではないかと思えて、益々目が離せない。
『ウエルベールの物語』第6話
事件の真相に対して、王女の知る事実が物語の核となっている。それをもとに、どうやら王子の仇討ちが誤解によるものだと見せてきた。いずれ王女の知る真相を見せなければならないが、それを説明的に思わせない展開を用意して見せなければ、違和感から白けてしまう見込みがあった。
今回は、毒にやられた刺客と王女が二人になる展開を用意して、そこで王女に語らせる形をとったので、違和感はほとんどなかった。その上で、刺客を助けることで王女の人間性と王女の知る事実の真実味を増す展開に繋げた。物語に必要なことを物語の中で違和感なく見せられることは、当然とはいえそれが出来ないと全てが台無しになってしまうこともあるので、出来ていたことは大きい。あまり言うのもなんだけど、OPの王女が奥から手前に来るカットに覚えた違和感は本編では見られないし、話の展開も上手くいっているので、今後に期待が高まる。
『ロミオ×ジュリエット』第5話
昨今は恋愛のようにミクロな物語が中心にあってマクロな作品世界に直接繋がる、いわゆる世界系作品が多い中、主人公が恋愛にうつつを抜かしている間にも世界では人々が存在していて色々暮らしていることや、希望を守るために自己犠牲をいとわない状況が発生していることを意識させる流れがミクロな物語とマクロな世界との緩衝になっていた。そういうありきたりだけど昨今の制作数からすれば丁寧な作りが、ミクロな物語とマクロな作品世界とを論理によって繋げるための布石になると思った。有名古典だけあって話の大筋を知っている人は多く、ある程度は予定調和で話が進むのだから、マクロな作品世界の細部を丁寧に描くことは作品の強度を上げる為に重要で、それが物語に破綻なく組込まれていればいうことない。そういう技術も含め今後に期待が高まる。
『英國戀物語エマ 第二幕』第5話
恋物語だけあって、なるほど恋を中心として話が回っているなと思わせる。そこに時代背景やそれに伴う設定が上手く生かされていて、確かにそうなることも十分あり得ると思わせる内容になっている。ただ、あくまで恋はミクロのものとして話を進めているのでテンポが遅く感じられるが、美術や演出の力もあってそれを補うには十分な出来。
『ぼくらの』第6話
前回から続いての性的な話。アニメでは性的な話というのは直接的な表現は避けられる内容であり、正直いって現実的な印象は受けるものの、女のセックス自慢も男のレイプまがいのどちらも気持ちが悪かった。要するにNOセックスの僕にとっては、キャラクターにとって等身大だろうと何だろうと彼岸の話であり見たくもないと思っているからだろう。
予告を見るに、順当とはいえ自己陶酔の中で自業自得の形の死を迎えるのかはたまた。
『ロミオ×ジュリエット』第4話
古典を題材としていて大筋に変更が無いのなら、先の展開は大筋において予定調和となるのは必然だろう。だけど、OP後の提供クレジット画面のあれはない。予定調和の時点でネタバレと変わらないのに、わざわざネタバレする必要はないだろう。とはいえ、本編の内容に不満はなく論理の破綻もない。この先の展開も含めて、どういう変更が加えられるのかが非常に気になる。
『ロケットガール』第11話
愛想の悪い飛行士に対してのゆかりの反応は見ているこちらにも納得のいくものであり、それとは違う真意を感じ取った茜が台詞でそのことを説明してしまうが、キャラクターの特徴を見せたし、この先の強調へ向けて飛行士の印象を変えた。何より、ゆかりとのコミュニケーションの中で違和感なくできたことが上手い。
最終回の前に盛り上げねばならない時に、文字媒体を映像媒体に変換する上で避けて通れない台詞や説明が上手く機能したことは作品にとって良い結果になるだろう。
『ながされて藍蘭島』第6話
温泉に起きた異変の解決とそれを通して頼りになる所を見せる話。何が何でも温泉には裸で入り、作中のキャラクターへの見え方が視聴者にとっては見えないが想像を喚起できるように考えられていた。これも十分エロい。DVDでの修正を前提とした屁垂れカットよりは、こういうガチさが見習われることを願いたい。

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