『N・H・Kにようこそ!』が熱い。山崎の葛藤と気遣いと結果が、これでもかという密度で描かれている。まあ、この番組自体が、そういう勝手な感傷とも取れるものを扱っていて結果も辛いので、辛いことの追体験や上手くいかないままでいることを見るのが嫌な人には向かないなと、だからこそ僕は大好きなのです。
『ふたりはプリキュア スプラッシュスター』はとことん女児向けを貫くようだ。そもそも、女児向けの変身戦闘少女ものは、新しい武器や力、言い換えれば新商品を与えられることによってのみ強くなるという欺瞞を抱えている。その欺瞞に対して己の体を鍛え上げ、自分が本気で闘えるようにプリキュアをも鍛えようとした悪役がいた。彼は頑張った。しかし、プリキュアは相変わらず何の成長もせず、与えられた力のみによって闘い、勝った。これが女児向けということなのだろう。だが、次週から以前倒した敵が再登場するようなので、彼も再登場することを願いたい。キントレスキー、俺はお前の帰りを待っている。
『奏光のストレイン』は味方の足を引っ張ることはあるだろうが、すぐに露見するようなお粗末な排斥は見ていて不愉快なだけでなくツッコミたくなる。兄への執着も理由が不明でH系の妹キャラクターの執着に見えて、シリアスな設定には異質なので早めに説明が欲しい。それに、何年も宇宙戦争の続く中の訓練学校を舞台としていて、戦争に関するあれこれよりも、兄や疎ましい訓練生に対して人命に関るレベルで行う排斥が優先して展開される。これなら訓練学校やそもそも宇宙戦争じゃなくてもできる。それをわざわざやるからには、もっと舞台を活かした何かが見たい。
『銀色のオリンシス』はありがち設定にそんなに面白い話でもないが、「いつ死ぬか分からないので、悔いを残すな」と問われて、「いつ死ぬにしても、生きていれば次から次にやりたいことが出てくるから、何かしらの悔いは残る」と返した。ありがちな問いかけだが返し方がありがちでなく、この先にあるであろう死をありがちな物語の装置以上に見せようという本気が感じられた。どんな結末になろうと、こういう本気が込められていたことは作品の意義になると思う。
『武装錬金』は感覚がずれていて笑えた。明らかにおかしなことを真面目ぶってやったら面白い。それでいてギャップのような物語上に必要なことまで繋げていて上手い。たまに独特の素人芝居的な内輪受け臭のするシーンで滑りもあるが、重めのテーマに対する緩急にはなっているので、滑りが減れば面白い。
『すもももももも 〜地上最強のヨメ〜』はお約束を使いながら、ツッコミと正論でもって見せ場を作っている。笑いは滑るが控えめにやっているしツッコミが的確なのでまし。
『ぷるるんっ!しずくちゃん』は夢見がちボケに天然ボケを重ねてボケ倒してから、呆れ気味にツッコミが入るパターンが基本だけど、キャラクターの可愛さと切れ気味のボケが上手い。

・まとめ
お約束はお約束として見られるけど、間を繋ぐには滑りやすいので転ばぬ先の杖が必要かと。
『はぴねす!』はありえないけどお約束になっている要素を羅列していた。そこに新しさや崩しもなくて、そういうお約束に苦笑しているキャラクター達には、滑ってますがなとしか思えなくて残念だった。
『夜明け前より瑠璃色な Crescent Love 』のギャグの時のデフォルメは省作画と笑いを狙っているように見える。でも、滑るだけでなく、全体的に低調な本編の作画と相まって安く見える。そういう裏方事情を抜きにしても、デフォルメが笑いを演出せずに、安さの演出になってしまっている。まあ、省作画と演出の両立は難しいということか。
『ときめきメモリアル 〜Only Love〜』は御都合主義の展開自体を指摘するのは野暮だとしても、主人公への扱いがギャグで済ませてるが、ギャグになっていない。全員糞真面目にやっておきながら、ギャグで済ませる。さらに、ヒロインキャラが純粋で無垢な対応をする。そこには、全員ボケの面白さも出てないし、登場人物の誰一人がそれを指摘しないし、力を抜くことも無い歪さは、物語を作ることの結果としてラブコメという形式になっているのでなく、ラブコメという形式を使うことが物語を作ることであるかのように扱っているからか。ラブコメでも熱くならないとね。
『ネギま!?』は典型的な願望充足かつカード等の販促面や『ぱにぽに』的な遊びが目を引く。しかし、デジタル編集を活かした挑戦的な演出も多く、新しさへの驚きだけでなく確かな演出になっている。それらが技術やデータとして試行錯誤され蓄積されていくということは財産になるだろう。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』は世界観と状況の不一致が酷い。それは、将棋盤でチェスをやるような違和感に近い。しかし、どう考えても滑稽なことを真面目にやっていて笑える。そういう笑いの基本をやってくれるのが面白い。言ってしまえば、半ギャグのルルーシュですな。
『武装錬金』のOPは曲も絵もタイミングも良いが、最後の一つ前のカットでランスを2人で突き出すカズキの顔と体の位置関係が変に見える。まあ、これが正しいパースというのなら見当違いだが、そうでないのなら残念だ。
『Pumpkin Scissors』は少尉が姫でなく王子の立ち回りをして、伍長が王子でなく姫の立ち回りをして、普段はそうやって逆転の構図になっているが、いざという時に王子の役回りをする。まあ要するに、伍長に萌えたり燃えたりしたら良いってわけです。
『結界師』は愛だ恋だ以外の部分での決意や矜持が感じられない。J-POPを売るためOPやEDに使っていて出来は悪くないが、愛だ恋だだけの温い話を引っ張るにはノイタミナ枠やanimoのようなドラマ的手法を用いて作った方がウケが良さそうだ。それが無いのなら半端に少女ウケを狙いに行かず、少年向けの王道を行くのも手か。
『RED GARDEN』の絵で謎の組織の乱立とか魔物とか出てくると違和感がある。それでも、プレスコと演者の統一感のおかげか謎の多さゆえか気にはなる。
『結界師』の時音が手前で良守が奥のカットで良守の口ポカーンがアホに見える。戦闘シーンでは良い顔しているのに、毎回これが出てくると笑いそうになる。
『くじびき アンバランス』は早速くじびきが出てこない回。取って付けた指令と展開にひねりの無いオチ。この出来は、くじアン会議でも褒めようが無いような。超展開アニメと評価されるためにわざと作っていると信じたい。
『ギャラクシーエンジェる〜ん』はキャラクターの掘り下げも無いままに半端にパロディーやシチュエーションだけ凝っているが、何も分からないキャラクターの崩しは崩しではないと思うし、前のシリーズの持ち味だった投げっぱなしオチもない。一応、王大人死亡確認ということにしておいて復活に期待したい。
『コードギアス 反逆のルルーシュ』は変てこ仮面に声も変えずにゼロとか言い出して、半笑いになった。その上、全力で逃がせで堪えきれなくなって大笑い。そうきたか。この土台や図面に対し、出来上がりを誤魔化し出したということか。それなら予想以上の結果になりそうだ。
『BLACK LAGOON The Second Barrage』はガンアクションもさることながら、それに加えて吹き替え洋画のような小気味良いやりとりが良い。吹き替え洋画の良い所がアニメに移植された作品といった所か。

< 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60

 
okm

この日記について

日記内を検索