『夢色パティシエール』第38話
かつて意地悪されたチームの作った菓子を認めてレシピを教えて貰おうと奮闘したり、これまでにない複雑な菓子を作るための練習に勤しむ。決戦に向けてのお膳立てが揃う中で、以前のように気を張り過ぎたために崩壊を予感させる状態になる。本番での右往左往を経て、圧倒的な点差が付いたところでいちごの採点となる。流石に圧倒的な点差を覆すのはやりすぎだから程々なのだが、最高得点で1点差に迫るお膳立てでパリ行きの絶望と特別枠での参加の希望とを交互に用意する匙加減が上手い。
『Angel Beats!』
演出の積み重ねが圧倒的に不足して見える作品だった。誰かを救うことで自分が救われた気持ちになることは悪いことではないが、あまりに見返りだけを求めた行為で慎みに欠けて見えた。また、それ以外で俺の主義主張や思想信条を超えて共感出来るものが物語には無かった。簡潔に述べると、作中のキャラクターは奇跡で救われました。一方、それを見ていた私は時間を費やしただけでした。
天使のキャラデは可愛いと思ったが、キャラデが良いだけでは演出でなくメタ情報であり、可愛らしさを強調して見せる仕草を盛り込んだカットを積み重ねるとか、映像に想像力を喚起する要素を盛り込むことが演出だろう。改めて、自分には演出されてもいないことをメタ情報のみで演出として解釈する想像力を持ち合わせていないと考えさせられる作品だった。簡潔に述べると、キャラクターデザインが可愛いだけでは満足出来ないので、場面や間で見せて欲しかった。
『NARUTO 疾風伝』第166話
敵わないと分かっていながらも、絶体絶命のナルトを救うためにヒナタが動く。本編素材だけでなく新規の素材を使って過去の回想を行いつつ、圧倒的に打ちのめされる中でヒナタからナルトへの告白で盛り上げ、儚く消え行く命にナルトが暴走を予感させ終わる。
現在の編において山場の始まりだが、それに対して全体の映像水準を大幅に上げて正面から映像の密度で見せるところがこの作品の上手い所だ。映像における躍動感が、物語の盛り上がりと呼応し、台詞は少ないながらも雄弁に魅せる。物語の盛り上がりと映像の盛り上がりを呼応させるやり方は分かっていても、人を集められないと中々出来ない芸当で素直な物量戦とでもいえようか。
まあ、サクラがウンコヒロインなのと、ヒナタへの思い入れが良く見せている面もあるけど、それ以上の力があるからこそ、中弛みがあっても見続けているのだなと再確認した。
『おおきく振りかぶって~夏の大会編~』
実質、接戦になる試合は一試合しかなかったので物足りなさはあったものの、一つ一つをしっかりと描くことは相変わらずだった。大きく見ると変わらないようでも、少しずつ変わっていく部分があって、それが成長というものだろう。成長していく若人を思わず応援したくなるような見せ方が一々憎い。前シリーズ同様に、一段落付いた後の後日談を一話丸々使って締めるやり方も丁寧で、新たなシリーズへの前進を感じさせるもので、次が待ち遠しくなる。このまま完結まで行けると良いですな。
『いちばんうしろの大魔王』
勘違いや誤解が具現化していき面白おかしくラブコメに徹している内は良かった。終盤のシリアス局面に至って、神を殺して物語を終わらせるとか哲学的に高尚なことを言ったつもりになったところで、現実に世界を見れば未だ人々から信仰心は失われていない。要は、たかだか女の何人かを救うのに世界だとか神を殺すとか、中途半端な無神論が回りくどくて恥ずかしくなる。魔王らしく神を殺して世界を変えるとは、青鬼になって赤鬼を救おうとする話で、真面目にやっているつもりで妥当性が低い行動を見るのは何だか可哀相な気もした。まあ、特定の宗教を自覚的に信仰してはいないが、超越的存在は信じており道徳的に振舞う姿を上手く表現するのは難しいといったところだろう。
ラブコメ部分との調和からすると、素直に好きだと選べないのも分かるが、別の形でも素直に見える行動だったら、画面の盛り上げる演出にこちらの気持ちが呼応したかなと。
『君に届け』
21世紀にあえて黒髪で控えめで奥ゆかしくておまけに可愛いと来る。性格が暗いから印象も暗く見えるとかご都合主義に思えるけど、照れるウィスパーが最高に可愛いのでまあいっか。
段々周りにも馴染んで行く形で交友関係の外堀から埋めていった感じで、最終的には物語は終わっていないけど、爽やか君と控えめさんが嬉し恥ずかしで、傍から見れば物語はゴールしてますね。
見守る足長おじさんとしても満足出来る終わり方だった。後は、残りの部分を連載終了に合わせて再アニメ化出来れば万々歳でしょう。
『薄桜鬼』
草の根で立ち上がった集団が歴史に翻弄される姿というか、新撰組なので史実の登場人物を出せば物語はそれなりに引き締まる。それ以上に、キャラデの艶やかさと演者の技量が支えている部分が大きいように思える。まあ、主人公の立ち位置を考えると死亡フラグが立ちまくっているように思えるが、案外死なないものだ。とりあえず、幕府軍敗退の契機となったところで上手く区切っているが2期ありきのようなので、物語の幕末も完結するまで待ちますか。
『たまごっち!』第35話
Aパートは若き日のぱぱまめっちを知るキャプテン号っちに会いに行く話。若き日に不思議な生き物をさがして海洋冒険をしていたぱぱまめっちの昔話に心躍るまめっちでなくとも、船首像がたまごっちになっているだけあって貫禄がある姿が絵的に面白い。ぱぱまめっちに小僧だったころの夢を求めてもう一度海へ誘おうとするキャプテン号っちだが、父親となった姿を見て思い留まるやり取りが良い。
Bパートはラブパパリっちの手料理をご馳走になる迷惑な話。アレンジのセンスが皆無なだけあって、皆が全部出来上がる前からやばいと察知出来る。中でも、食べたこと無い何人かが理由を付けて部屋から逃げたのをテルリンが真似る場面が面白い。出来上がった黒い料理の味がラブママリっちの愛情で出来ていたと分かる落ちも良かった。
どちらも父の日に合わせた内容だが、戦後的な全権委譲型で蔑ろにするのではなく、お父さんを大切にかつ面白く扱う内容でホッとした。
『聖痕のクェイサー』
おっぱい吸ってパワーアップする異能者の闘い。言葉にするだけで眩暈がする内容は、性衝動をメタ情報で覆う気すらない潔さ。肝心の場面は地上波用に編集されて謎の光やカメラを外して無音だったりとするけど、安心して見られはしない。こっそり見るに限る。
表面的にはそんな馬鹿馬鹿しさで覆われているが、話の内容は割に正統派の物語になっている。まあ、どう褒めようと結局はおっぱい万歳ということで。
『会長はメイド様!』第11話
一人だけ浮世離れした感じのする碓氷の生活に迫る。まあ、メイド喫茶に入り浸っていることからも薄々は感じていたことだが、高級店に顔パス出来るあたり只者ではない。変装している怪しげな会長達を入れてくれる高級店の優しさを感じつつも、結局実態は掴めないで終わるが、追跡先での振舞いやEDの感じからしても分かりやすいくらいに金持ちと一般の恋なわけで、なんだ一見変化球に見えて直球じゃないか。
『おおきく振りかぶって~夏の大会編~』第12話
競技の性質上勝つ可能性は十分にあり、そう思わせるだけの積み重ねがあった。その上で、逆転や敗北が意識される場面の描写が光る。メタゲームで勝ってきただけに、地力を問われる形になれば相応しい結果を用意する。うじうじねちねちした描写を積み重ねてきたにもかかわらず、後味は不思議と悪くない。それがこの作品の安定感というか魅力だろう。
『B型H系』
段々と小須田のことを好きになっていくのが恥ずかしい山田の中二妄想全開で積極的なのに恥らう姿がとても恥ずかしい作品だった。最後は、お互いが好きあっていて、どうにも一線をエロ神様の力とは別の神に寸止めされていて、妙にメタで面白く落ちを付けたと思う。鉄壁の演者と笑えるエロ演出の布陣が小恥ずかしさをくすぐる。そんな駄目だけど面白い作品でした。
『遊戯王5D’s』第114話
イェーガーをおびき出すための作戦が、カップラーメンマンにコスプレしてデュエル大会の商品で釣るとか胸が熱くなる。馬鹿馬鹿しいコスプレだからと甘く見ても、そこは最も空気を呼んでいないクロウ様なので安心の仕様。
で、捕獲されたイェーガーの身の上話から、ピエロ風メイクと立ち位置でピエロ扱いなのではなく、本当にサーカス一家出身のピエロでゴドウィンに取り入って成り上がったとか、嫁と息子が恥ずかしげも無くピエロメイクだったりと美味しい位置取りが出来ている。しかし、貧乏人にとっての贅沢がカップラーメンとは、近未来と思えない時代感が堪らない。まあ、カップラーメンにも小ネタが満載で得したような気分ではある。
『聖痕のクェイサー』第23話
いよいよ最終決戦。乗り移った敵をおっぱいから吸い出したり、全員のおっぱい吸いまくりで皆の力を集めてぶつける。一々サービスカットになっており、拘り抜いた様式が笑えるが、ヒロインとの絆で敵を打ち破る正直な展開は真面目で緩急も上手い。偉大なるおっぱいの力と絆の大団円は良し。
『クレヨンしんちゃん』第704話
Aパートは、まさお君が冴えないお父さんのギターを発見して、実はお父さんも昔はな話。
意味も無くギターを持ち歩いたり、しんちゃんの家で厚紙で楽器を作ってバンド気分を味わおうとしたりと本当に幼稚園児かと思うような中二ぶりが愉快。勿論、落ちは初めからの予想通りでこの作品らしい。
Bパートは、ワールドカップに合わせた話。
桃太郎のきび団子がサッカーボールに変わっていて、お供にする為にボールは一つだからあげられないから勝つことを前提とした勝負を挑む。まあ、この作品の妙に現実の厳しさを際立たせる作風だと負けますわな。何だかんだで、鬼が島に行く前にゲストの中澤の猛特訓があったりと、日本代表応援の雰囲気も出して終わるのかと思うが、そこで終わらないで落ちを付けるのがこの作品らしい。妙にメタな落ちになっているが、ならなぜ桃太郎だったのかと思うが、相変わらず面白い。
『B型H系』第11話
内容は全然寸止めになっていないのだけど、映像としては寸止めになっている。
直接的な表現で敷き詰められていて、品はどこへ行ったと言うまでも無く、最初から放送出来る範囲の映像に収める以外の品はない。ほとんど物語としては終わっているのだけど、最後の一線に気持ちと体が踏み込めないことを寸止めとして扱っている。お馬鹿さに見ているこちらが赤面したり、直視に耐えられなくなる煽られ方を楽しむのは、倒錯か正常か。
『イナズマイレブン』第85話
染岡さんの復活は嬉しいが、吹雪とのコンビはお預けで何とも。まあ、それ程時が過ぎてはいない感じがするのに、勝ち抜けた国が分かっていたかのように選手村が母国を再現する準備万端に突っ込むのは野暮だろう。タイヤを探してうろちょろしたり、怪しげな老人に祖父さんの必殺技で闘うだけでは自分がないと釘を刺されたり、半田が転生したようなキャラとちょろちょろしたりと新しい舞台での伏線も上々で先が楽しみだ。
『遊戯王5D’s』第113話
バーンデッキを逆手にとって非戦闘ダメージ狙いになっているが、結局は戦闘ダメージで勝つのが一番手っ取り早い。パワーデッキでは勝てないというよりは、相性の悪いデッキもあるという話であり、現実の制限カードを使えば破れるが使えない作品の限界を露呈させる。
まあ、何だかんだ言っても、最後に悪魔の力を取り込んでパワーで勝つところが、国産特有の様式美になっていたので良し。
『いちばんうしろの大魔王』第10話
魔王らしくない魔王のドタバタが面白いと思っていたが、急にマクロな物語を求めて世界と関わり出して一気に白けた。要は、自分に関わりのあるヒロインを苦しめる神が居て、お前らが魔王扱いして恐れるのなら、魔王として人を苦しめる存在として摩り替えて神を殺しヒロインを救おうと。まあ、本当に神を殺して拠り所を失う人々のことが忘れ去られているので、ろくでもない考えだと思うが……。
『怪談レストラン』
三本立てがEDを侵食したり、二本立てになったりとあれこれ試していたが、不動のアヴァンでのお化けギャルソンの「みーなさーま」は名調子で気持ち良く、本編も怖いけど程々で、友情や家族が起点になって上手く解決するところが好きだった。
怖い話は好きだけど怖がらせるだけでなく、ほっとさせたり和みを用意した緩急が上手かったと思う。機会があれば、復活も十分ありだと思います。一先ずは、お疲れ様でした。

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