『たまごっち!』が『たまごっち!~ゆめキラドリーム~』になっての新たなる挑戦。


まとめ
・従来の玩具販促アニメの変身とは玩具で困った場面を解決する専門家になること
・『たまごっち!』の変身は変身する専門家がランダム
・満足な状況が与えられるのではなく、与えられた状況で満足を生み出そうとする
・満足を与えるための道具を売る玩具販促アニメで、満足な状況を与えないのが挑戦的


少女向け作品において、変身という要素は定着している手法といえよう。変身とは、玩具として売る道具を使って、困った場面に役に立てる専門家になることである。専門家とは、怪我人が居る際のレスキューや医師や看護師のように、職能によって困った場面を解決するものである。
一方で、『たまごっち!~ゆめキラドリーム~』における変身は少し異なる。ゆめきらバッグなるカバンを使い、色々な職業や職業と呼ぶには少し変わったものまで変身する点は従来の変身と変わらないのだが、変身する専門家がランダムであり、変身内容によらず知恵を使って解決する点で異なっている。一例として、本作の学校では多目的授業があり、芸能クラスで漫才の課題が出た。これに対し、女優を目指すキャラは嫌がる。それを解決した際の変身は宇宙飛行士であった。宇宙飛行士となって宇宙遊泳ネタを盛り込んだ漫才を行い、笑いの大切さを気付かせたのである。また、別の回では店の中で居なくなったペット捜索を人魚に変身して解決した。たい焼きそっくりのペットだったので店の前の海でたいやきくにんになりたかったようでそこに上手く嵌った体である。大抵は一見して解決出来る専門家にはならないのだが、クリスマスプレゼントを贈りたい回では、上手くサンタガールに変身出来たこともある。最近では、見習いマジシャンのタネに困っている場面でまさかの漫才師と来た。
つまり、必要な時に必要な専門家に変身出来ることもあるが、一見関係なさそうな専門家に変身してしまっても何とかなるはずだ何とかしようと知恵と勇気でぶつかっていくことで解決する。満足な状況が与えられるかどうかではなく、与えられた状況で最善を尽くし満足を生み出そうとする姿勢を礼賛している。満足を与えるための道具を売る玩具販促というある種の欺瞞に対し、新しい話の作りで挑む本作の挑戦は続く。

コメント

okm

この日記について

日記内を検索