敵の親玉、まとめて魔王の話。


まとめ
・魔王の代表的な二種、絶対型、相対型
・絶対型は純粋悪、相対型は正義の裏返し
・絶対型の魅力は、力と悪を背負い倒されるべき存在感
・相対型の魅力は、正義が裏返る過程と悲哀
・魔王の存在は物語を盛り上げる


魔王を大別し、生来の気質から世界支配、あるいは人類殲滅を試みようとするもの、運命から世界そのものの破壊、あるいは破滅を目論むものに分けて考える。
前者を絶対型、後者を相対型とでも定義しておこう。
絶対型の魔王は、生来の圧倒的な力や才覚を背景としている場合が多く、非力なものを蹂躙しても平気な精神を持ち合わせている。倒される理由も明確で壁としても分かりやすい。
一方、相対型の魔王は、魔王とはいっても生粋とは呼び難く、非力なものを蹂躙しても平気な精神を持ち合わせているような人間の業に対し、叡智を授けることが出来ない己に対する憤りと自身も含めた世界への罰を与える代行者としての側面を持っている。正義の方向や行使が他人を不幸に陥れるともいえよう。盗人にも三分の理といった呈で一方的に断罪するのも難しく、人間の不条理の裏返しともいえる側面を持ち合わせている。
絶対型の魔王の魅力は、圧倒的な力とこの世の悪逆を一手に引き受け倒される役割に対する存在感が挙げられる。
一方、相対型の魔王の魅力は、人間の持つ業や正義の屈折から己自身への憤りへと至る過程や、そうなる以前との対比、そこにある悲哀や不条理が挙げられる。
どちらにせよ敵としての魔王の存在が物語を面白く出来ることは間違いない。

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okm

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