2011年9月終わりをまとめて
2011年12月28日 シリーズ全体の感想『TIGER & BUNNY』
弱り目に会った時、素朴な優しさで立ち上がる。そんなオッサン、つまりは大人の姿を描いた作品。程々に惨めな姿も披露しつつ、いつまでも斜に構えた餓鬼ではいられない現実を突きつける。サスペンス宜しくの与えられた要素だけで組みあがる答えの程々の分かりやすさもあって王道を行く作品だった。かつて、大人は絶対的だと思っていたが、いざ自分が大人になったり情報化が進んだ結果そうでもないと分かってなお、求める理想の大人像であり、エロなんぞよりも根源的で潜在的欲求だ。それに灰汁なく正面から答える良いオッサンアニメであり、3.11後の物語はどうしたら良いかってことに男は背中で語れと黙って答える作品でした。
『花咲くいろは』
老舗旅館を舞台とした世代間昼ドラってところか。空気が読めない形で自己をメタ視出来ない主人公の行動は、昭和的耐え忍びでもなく、平成的開放感でもなく、両者を織り交ぜて上手く落とした感じだった。イケメンが出てきて幼馴染の地味な彼や同僚を巻き込んだ昼ドラ展開になるのかと思いきや、恋愛感情に鈍感と型を破る。そんな主人公が、とにかく元気に行動することで周りが感化されていく。見ているこちらも何となしに納得する。作品の終了と共に作中の旅館も廃業するってのも同様にこちらと重なるものがある。元気な女の子に癒されるだけでなく、同調も出来る作品だった。
『STEINS;GATE』
一言で表せば、未来技術によるライフハックならぬ、ストーリーハック。過去を変えることで未来が変わる。その変化の行き着く先に願いの、普通の、予測出来ない未来がある。未来に希望を感じさせる作品でした。映画化おめでとう。
『逆境無頼カイジ 破戒録篇』
地下転落から、チンチロでの更なる転落と逆転。地上に出てからの沼との大掛かりな闘い。カイジ君は屑をまとめあげるのが実にお上手。そして、鬱屈を溜めて放つを地で行く作品だった。
『青の祓魔師』
斜に斜に構えそうな設定や展開が次々とやってくるが、そのことごとくに正面から応える。なぜそれが出来たのかというと、一つは主人公が馬鹿なことによる無知の知。もう一つは、周りのキャラクターが適度にメタ視して斜に構える役割を担ってくれるから。スカッとする作品でした。納得の映画化。
『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』
まあ、マジキチでした。しかも、イケメンをこれでもかと押してくる潔さ、おまけに不思議な目のヒロインは何だかんだと、恋愛を避けつつフラグを達成していく。不意に変なダンスがあったかと思えば、極め付けはED曲の作中披露の場面、格好良いイメージが流れ込んでくるのかと思ったら、学園長に対して流れ込んでトリップしている姿が流れる。軽い放送事故でっせ。しかし、最後は頑張りで何とかなるってのも含め悪くはない。勝者の余裕とでも言うべきか画面全般に華のある作品でした。
『夏目友人帳 参』
何だかんだで守りに入った印象が拭えなかった。本筋足るのも、彰さんのキャラが出てくるところだけで、不完全燃焼な印象だ。それもそのはず、終了後すぐの四期目の発表と、がっくしだな。
『異国迷路のクロワーゼ The Animation 』
何で異国で暮らさなくてはならないのかについての必然性は最後まで感じられなかったが、クロードとお嬢様の関係を追憶する形での湯音との関係を中心に、外国の下町的雰囲気でのお父さん気分が味わえる作品だった。後一押しがあればもっと良かったとは思うが、邪念が強いのも興醒めなのでこれはこれで良し。
『神様ドォルズ』
半ば逃げるように上京した主人公が、過去の因縁と向き合う準備が整ったところでお預け。OPのイメージは主人公にとっての不完全燃焼だったのだろうが、本当の不完全燃焼はわし等視聴者の方じゃった。
『バカとテストと召喚獣にっ!』
前日譚なのだが、目標が無いってだけでこうも空虚な作品になろうとは……。そうそうに決定していた二期ゆえの苦悩なのか、せめてファン向けの内輪受けを展開するならまだしも、物語の短期でも長期でも到達点が提示されないってのは、もう一回アニメ化したいって欲目、邪念ですな。
『神様のメモ帳』
惜しい。終始その粋に達することはなかったというか、域を脱することはなかった。キャラクター同士の関係性が流れとして見える形で作っていなかったようで、その点はまあこのスタジオのいつものことでんな。まあ、この作品も含め茅野さんが線細とか幸薄担当ということはよく分かった。
『うさぎドロップ』
お父さんスイッチの作り方。健やかに成長していく子供を見守る幸せと、そうした人生と交わることがなさそうな感覚とが交差する。不思議な印象の作品だった。内面描写とか演者の息遣いの妙ってところでしょうか。さあ、早くこの子役達の囲い込みを始めるんだ。間に合わなくなっても知らんぞ。
『NO.6』
神に比する高位の存在を背景に、二人の少年の出会いから始まる物語。壁の中で管理された綺麗な町に対し、壁の外の薄汚れた町と泥臭い設定ではあるものの、精神面のためかどこか洒落た感じを漂わせていた。友情とも恋とも受け取れる二人の少年の関係に女子の入る隙はなかったととらえておこうか。
『猫神やおよろず』
ドラえもん程折り目正しい目的でもなく、ケロロ軍曹程オタク街道を邁進するでもない。強いて挙げれば、可愛らしさってのが、売りであろう。しかしながら、今一つ押してくるものがないのも、可愛らしさがギャグの微妙さの言い訳になる程度のもので収まっているためであろう。
『魔乳秘剣帖』
おっぱいと刀、煩悩に訴えかける組み合わせで、ぷるんぷるん、ばいんばいん、たゆんたゆんと提供クレジットでの擬音読みが冴え渡る本編は眼福だった。だが、煩悩を揺さぶる程のものではなかった。狙い過ぎのためだろうか、否剣の道についての見せ方が微妙だったからであろう。エロはなくても良いが、物語の上で重要な剣の道に対する答えを感じさせないってのは物足りん。
弱り目に会った時、素朴な優しさで立ち上がる。そんなオッサン、つまりは大人の姿を描いた作品。程々に惨めな姿も披露しつつ、いつまでも斜に構えた餓鬼ではいられない現実を突きつける。サスペンス宜しくの与えられた要素だけで組みあがる答えの程々の分かりやすさもあって王道を行く作品だった。かつて、大人は絶対的だと思っていたが、いざ自分が大人になったり情報化が進んだ結果そうでもないと分かってなお、求める理想の大人像であり、エロなんぞよりも根源的で潜在的欲求だ。それに灰汁なく正面から答える良いオッサンアニメであり、3.11後の物語はどうしたら良いかってことに男は背中で語れと黙って答える作品でした。
『花咲くいろは』
老舗旅館を舞台とした世代間昼ドラってところか。空気が読めない形で自己をメタ視出来ない主人公の行動は、昭和的耐え忍びでもなく、平成的開放感でもなく、両者を織り交ぜて上手く落とした感じだった。イケメンが出てきて幼馴染の地味な彼や同僚を巻き込んだ昼ドラ展開になるのかと思いきや、恋愛感情に鈍感と型を破る。そんな主人公が、とにかく元気に行動することで周りが感化されていく。見ているこちらも何となしに納得する。作品の終了と共に作中の旅館も廃業するってのも同様にこちらと重なるものがある。元気な女の子に癒されるだけでなく、同調も出来る作品だった。
『STEINS;GATE』
一言で表せば、未来技術によるライフハックならぬ、ストーリーハック。過去を変えることで未来が変わる。その変化の行き着く先に願いの、普通の、予測出来ない未来がある。未来に希望を感じさせる作品でした。映画化おめでとう。
『逆境無頼カイジ 破戒録篇』
地下転落から、チンチロでの更なる転落と逆転。地上に出てからの沼との大掛かりな闘い。カイジ君は屑をまとめあげるのが実にお上手。そして、鬱屈を溜めて放つを地で行く作品だった。
『青の祓魔師』
斜に斜に構えそうな設定や展開が次々とやってくるが、そのことごとくに正面から応える。なぜそれが出来たのかというと、一つは主人公が馬鹿なことによる無知の知。もう一つは、周りのキャラクターが適度にメタ視して斜に構える役割を担ってくれるから。スカッとする作品でした。納得の映画化。
『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』
まあ、マジキチでした。しかも、イケメンをこれでもかと押してくる潔さ、おまけに不思議な目のヒロインは何だかんだと、恋愛を避けつつフラグを達成していく。不意に変なダンスがあったかと思えば、極め付けはED曲の作中披露の場面、格好良いイメージが流れ込んでくるのかと思ったら、学園長に対して流れ込んでトリップしている姿が流れる。軽い放送事故でっせ。しかし、最後は頑張りで何とかなるってのも含め悪くはない。勝者の余裕とでも言うべきか画面全般に華のある作品でした。
『夏目友人帳 参』
何だかんだで守りに入った印象が拭えなかった。本筋足るのも、彰さんのキャラが出てくるところだけで、不完全燃焼な印象だ。それもそのはず、終了後すぐの四期目の発表と、がっくしだな。
『異国迷路のクロワーゼ The Animation 』
何で異国で暮らさなくてはならないのかについての必然性は最後まで感じられなかったが、クロードとお嬢様の関係を追憶する形での湯音との関係を中心に、外国の下町的雰囲気でのお父さん気分が味わえる作品だった。後一押しがあればもっと良かったとは思うが、邪念が強いのも興醒めなのでこれはこれで良し。
『神様ドォルズ』
半ば逃げるように上京した主人公が、過去の因縁と向き合う準備が整ったところでお預け。OPのイメージは主人公にとっての不完全燃焼だったのだろうが、本当の不完全燃焼はわし等視聴者の方じゃった。
『バカとテストと召喚獣にっ!』
前日譚なのだが、目標が無いってだけでこうも空虚な作品になろうとは……。そうそうに決定していた二期ゆえの苦悩なのか、せめてファン向けの内輪受けを展開するならまだしも、物語の短期でも長期でも到達点が提示されないってのは、もう一回アニメ化したいって欲目、邪念ですな。
『神様のメモ帳』
惜しい。終始その粋に達することはなかったというか、域を脱することはなかった。キャラクター同士の関係性が流れとして見える形で作っていなかったようで、その点はまあこのスタジオのいつものことでんな。まあ、この作品も含め茅野さんが線細とか幸薄担当ということはよく分かった。
『うさぎドロップ』
お父さんスイッチの作り方。健やかに成長していく子供を見守る幸せと、そうした人生と交わることがなさそうな感覚とが交差する。不思議な印象の作品だった。内面描写とか演者の息遣いの妙ってところでしょうか。さあ、早くこの子役達の囲い込みを始めるんだ。間に合わなくなっても知らんぞ。
『NO.6』
神に比する高位の存在を背景に、二人の少年の出会いから始まる物語。壁の中で管理された綺麗な町に対し、壁の外の薄汚れた町と泥臭い設定ではあるものの、精神面のためかどこか洒落た感じを漂わせていた。友情とも恋とも受け取れる二人の少年の関係に女子の入る隙はなかったととらえておこうか。
『猫神やおよろず』
ドラえもん程折り目正しい目的でもなく、ケロロ軍曹程オタク街道を邁進するでもない。強いて挙げれば、可愛らしさってのが、売りであろう。しかしながら、今一つ押してくるものがないのも、可愛らしさがギャグの微妙さの言い訳になる程度のもので収まっているためであろう。
『魔乳秘剣帖』
おっぱいと刀、煩悩に訴えかける組み合わせで、ぷるんぷるん、ばいんばいん、たゆんたゆんと提供クレジットでの擬音読みが冴え渡る本編は眼福だった。だが、煩悩を揺さぶる程のものではなかった。狙い過ぎのためだろうか、否剣の道についての見せ方が微妙だったからであろう。エロはなくても良いが、物語の上で重要な剣の道に対する答えを感じさせないってのは物足りん。
コメント