『テレビまんが 昭和物語』第3話
今回は転校の多い金持ちの転校生・鳥居が登場する。それすらどこか懐かしいものに思える。鳥居が船橋ヘルスセンターへ行った話を聞いた公平は、父親に連れて行けと駄々をこねる。張り紙までして頼むのだが、張り紙の内容が学生運動の影響を受けたそれっぽいものだったりと細かいところも楽しい。勿論、町工場で忙しい父親にはあっさり断られる。婆ちゃんから当の父親も似たように連れてけって駄々をこねたと小言が入ったりで、自分も含め何時の時代も子供には娯楽施設が眩しく映るのだろう。翌日の日曜日に公平は、鳥居と難しいペーパークラフトを代わりに作ってやると約束していたのを思い出す。自分で作ろうとするが苦戦して父親に頼むことに。丁度徹夜での作業が終わった父親が茶の間に居たので頼むも、状況を知らずに無神経な言葉から叱られてしまい家を飛び出す。公平は悪友達と合流し出来立ての羽田空港の滑走路を見に行くことに。遠い道のりを途中空港へ向かうらしき車へ忍び込んで付いた滑走路、子供にとって大きい建造物ほど魅力的なものはなく、飛行機ならすぐの滑走路も走っても終わりが見えない広さがある。どうやら見つかって、捕まると厄介だと思い行き同様車に忍び込んだ結果着いた場所からパトカーで送り届けられる。警察に厄介になることは、今以上に恥の要素が強く大目玉を食らう。その後、息子との距離感が上手く掴めない不器用さを反芻する父親が、ふと見やるペーパークラフト。結果は勿論ですな。
何気ない日常にもちょっとした情報の差で生まれるドラマがあり、そこでの心の機微が丁寧に見せられるのは良い。一見無機質な人工物でも、捉える人の風景の一部として懐かしさがある。

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okm

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