『遊戯王5D’s』
基本的にはグダグダで荒んだ未来を舞台に、序盤は新カードが増えないからワンパターンだとか、シンクロのアドの取りやすさと攻撃力の低いエースモンスターのせいもあって低調なデュエルが多かった。最初の編は物や人が揃っていないから低調だったと見なすにしても、ダークシグナー編は雑賀や牛尾を再利用する形で使ってみたりと、前半の内容の再構成に四苦八苦している印象の中で、取って付けた登場を遂げたガチデッキ野郎のクロウが新たにシグナーに加わって何が何やら。いっそシグナーや伝説の竜以外のモブ扱いのシンクロも使えよと思う内容。クラッシュタウン編はニコの親父が死んだ件以外は満足な内容だった。一方で、WRGP編はアニメオリジナルのカードと効果の調整や物語が甘々だったことが露呈する内容で、無くても良かった気がしてくる。反面、最後のアーククレイドル編ではシェリーがいらない子だったこと以外は、話も練り込まれていてデュエル内容とも同調するところが多くて良かった。ジャックとのラストデュエルを決めるのが、ジャンクウォーリアーだったのは、デストロイヤーでも良かったように思えるところだが、バトルフェーダーの可能性を考えると上手い選択で、デュエルと話とが噛み合っているとこも含めて珍しく納得出来る内容で集大成として良いデュエルだった。キスでもしそうな距離でのアキとの最後の会話だけで終わる語らずして見せる距離感は、絶望失望大好きの内容らしさか、売るべきものの対象を考えた結果か。まあ、「サイコ」デュエリストとはお別れしておいて正解かもしれない。
ジャックとのラストデュエルを決めるのが最初から使い続けてきたカードと新しいカードとの組み合わせだったこと、子供から大人へと成長を遂げた遊星と大人でありながら成長を遂げた牛尾との会話で〆ることは、見続けてきた視聴者へのサービスのみならず、変わるものと変わらないものを示した良い終わり方だった。そんなこんなで終わってみれば、終わり方のおかげで随分と印象が良くなった作品だった。

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okm

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