バトルが楽しい

『バトルスピリッツ 少年激覇ダン』
人間の業を体現した異界王に対し、大人の都合など知るかと正面から激突するダン。そんな具合に激突がバトルだけでなく、物語にとっても重要な要素となっていた。前シリーズの日常重視で見せ場以外の合間をカットしたバトルから、ターンの進行までも正確に行うバトル重視となった今シリーズ。序盤こそ形式が変わったこととキャラ紹介で退屈だったものの、段々とバトルの内容と物語が同調し始め、見せ方も慣れてきて機能し始めると一気に面白くなった。バトルがメインなのだから、バトルが面白いのはとても良い。
最終決着も倒せないBPの相手に対しBPで上回るのではなく、ルールの範囲内の本体狙いで勝つというバトスピで全てを決める理不尽さをどこまでも貫いた内容で気持ちが良かった。力の狂気に取り込まれた異界王の散り際の一言が、新シリーズでの展開を予想させるものだったのも印象的だ。後日談での机での普通のバトルが、初回の大会での一幕と繋がるものがあり綺麗に〆ていた。