本文では、ロボットアニメとは、巨大ロボットアニメを指すものとする。
ロボットアニメの多くが専守防衛型だとはhttp://69541.diarynote.jp/201005030646578062/で既に述べたが、専守防衛に潜む問題を考えてみる。
我が敵の攻撃に対して反撃を選択するのではなく、選択肢が反撃のみであることは問題である。これは、敵の攻撃を受けなければ、我が攻撃出来ないとも言い換えられる。また、反撃に目が行くと忘れがちだが、敵の攻撃を受けると損害が発生する。さらに、敵が攻撃のための準備をしていても、我は敵に先んじて攻撃を行うことが出来ない。我が反撃しか出来ないことは、敵が我を反撃不可能にする規模の攻撃を行った場合、我は反撃出来ずに一方的に壊滅的な損害を被ることを意味する。フィクションでは直接の表現を避けられがちだが、壊滅的な損害とは、建築物の破壊や人命の喪失である。現実的には、迎撃や先制攻撃等によって、敵が被ると予想される損害から、攻撃を躊躇させる効果があり、これは抑止力と言えよう。しかしながら、ロボットアニメにおいては、反撃に特化した専守防衛型の方が、正々堂々と敵を討ち破る印象になるためか、迎撃や先制攻撃は軽視される。
物語において心地よくて有効な方法が、現実において心地よくても有効な方法ではない点は、思考の罠といえよう。ロボットアニメが、このような思考の罠を何年にも渡って表現してきたことは、ロボットアニメからの警鐘と言えよう。

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