『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』
この作品の状況を端的に表現すると売れ線と物語とのせめぎ合いの二正面作戦が相応しいだろう。そして、古今の例に倣うまでもなく、二正面作戦の難しさを露呈している。売れ線の数々の要素に台詞と視聴者の感性のみに委ねた空に響く音を重ね合わせて作られた物語は、共感不足に尽きる。それは、音楽が人の心を打って空に響くものだという前提が、特に演出によって積み重ねられることなく、最終局面でのみ物語の流れに左右する程に強く演出されたからだ。音楽と物語、特に映像作品とは親和性に難があると思われるので、ある程度の時間を使って物語の中で大なり小なり反復して音楽の力を演出していく場合が多いのはこの為だろう。1クールに色々詰め込まなければならない中でそういった手続きを疎かにしたことが、この作品の後味に独特の微妙感を残した。
悪い作品ではないが、良い作品でもない惜しい作品。アニメノチカラを再確認させられる作品だった。
この作品の状況を端的に表現すると売れ線と物語とのせめぎ合いの二正面作戦が相応しいだろう。そして、古今の例に倣うまでもなく、二正面作戦の難しさを露呈している。売れ線の数々の要素に台詞と視聴者の感性のみに委ねた空に響く音を重ね合わせて作られた物語は、共感不足に尽きる。それは、音楽が人の心を打って空に響くものだという前提が、特に演出によって積み重ねられることなく、最終局面でのみ物語の流れに左右する程に強く演出されたからだ。音楽と物語、特に映像作品とは親和性に難があると思われるので、ある程度の時間を使って物語の中で大なり小なり反復して音楽の力を演出していく場合が多いのはこの為だろう。1クールに色々詰め込まなければならない中でそういった手続きを疎かにしたことが、この作品の後味に独特の微妙感を残した。
悪い作品ではないが、良い作品でもない惜しい作品。アニメノチカラを再確認させられる作品だった。
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