『のだめカンタービレ』
音楽によって得られる感動は聴覚によるものである。一方、アニメは映像媒体であり、視覚を中心とした総合的な見せ方に感動がある。よって、それをどう置き換えて表現するかが演出の見せ所であるといえる。
実際には、曲の全部を聞かせきることやCGによる演奏者の手元が全体を上手くまとめていた。ただ、途中で入る観客の薀蓄や感情の吐露は、仕方ないとはいえ、同調できるものではなかったので、その点は残念。
最初のオケでは、それら加えて、3回パン(カメラの3回振り)やハーモニー(劇画調等のタッチの違う画での止め画)が使われていて、演奏以外の部分が静的であるのに躍動感が出ていた。
特に、最終回のオケでは、3回パンのパン1回毎にズームしていく演出があり、その圧倒感は凄い。直後の4回ハーモニーとのコンボは圧倒感を更に引き上げている。それらの視覚演出に加えて、これまでの振り返りの貼り付けを見せる。その過程では、他の演奏場面と打って変わり、モノローグのみで観客の台詞がないのも大きく、集大成として見応え十分だった。演奏終了時のハコ内の反応を見せずに場面を切り替える演出もにくい。
才能を持ったキャラクター達の話でありながら、才能そのものではなく、それを持った上での機会や出会いとそこでの選択に比重を置いた見せ方だった。それだと、凡人の俺にも置き換え可能な内容なので、感情移入しやすかったと思う。ディティールを高めることによって底上げされる雰囲気の質を演出に使うことは挑戦的であり、見応えもあり、素晴らしかった。
再アニメ化による完結に期待しつつ、今はひとまずお疲れ様でした。
音楽によって得られる感動は聴覚によるものである。一方、アニメは映像媒体であり、視覚を中心とした総合的な見せ方に感動がある。よって、それをどう置き換えて表現するかが演出の見せ所であるといえる。
実際には、曲の全部を聞かせきることやCGによる演奏者の手元が全体を上手くまとめていた。ただ、途中で入る観客の薀蓄や感情の吐露は、仕方ないとはいえ、同調できるものではなかったので、その点は残念。
最初のオケでは、それら加えて、3回パン(カメラの3回振り)やハーモニー(劇画調等のタッチの違う画での止め画)が使われていて、演奏以外の部分が静的であるのに躍動感が出ていた。
特に、最終回のオケでは、3回パンのパン1回毎にズームしていく演出があり、その圧倒感は凄い。直後の4回ハーモニーとのコンボは圧倒感を更に引き上げている。それらの視覚演出に加えて、これまでの振り返りの貼り付けを見せる。その過程では、他の演奏場面と打って変わり、モノローグのみで観客の台詞がないのも大きく、集大成として見応え十分だった。演奏終了時のハコ内の反応を見せずに場面を切り替える演出もにくい。
才能を持ったキャラクター達の話でありながら、才能そのものではなく、それを持った上での機会や出会いとそこでの選択に比重を置いた見せ方だった。それだと、凡人の俺にも置き換え可能な内容なので、感情移入しやすかったと思う。ディティールを高めることによって底上げされる雰囲気の質を演出に使うことは挑戦的であり、見応えもあり、素晴らしかった。
再アニメ化による完結に期待しつつ、今はひとまずお疲れ様でした。
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