『地獄少女・二籠』
人の業深さ、人の世の罪深さ。そういった、人の持つ一面が地獄通信を通して晴らされるうらみの数々によって描かれた。
前回のシリーズは地獄少女の個人的な業の話だったが、今回のシリーズでは1人の少年を中心とした街全体を人の世に見立ててそこでの業の話。自分の手を汚さない地獄通信から、段々と自分の手を汚す手段へと変化していく過程は、強い不快感と納得できるものだった。今一度人柱になることで、地獄少女自身も業から解放されたと見せた後に、やはり人は度し難いのかと思わせるカットをあっさりとした流れの中で持ってきた。
今更、人の度し難さの話をとは思うが、安易な救いや、周知の事実の暴き立てではなく、事実を事実として描いた作風は好感が持てる。仕置き話を、うらみの持つ連鎖性に焦点を当てて連続性を持った話に仕上げたことが良かった。

コメント

okm

この日記について

日記内を検索