『金色のコルダ 〜Primo Passo〜』
主人公の少女と音楽少年達の恋というか微妙な距離の青春を、音楽に縁のない少女が魔法のバイオリンを手に入れてからの生活を通して作った。表面だけを見れば、そういう作品であり、事実そういう場面も多々あった。しかしながら、話の核が最初の大技である魔法のバイオリンと、それを通しての音楽との関りへと移っていった。魔法のバイオリンだけの力ではなく、自分自身の意思と力によって音楽と関っていこうと決めること、そして、誰ともくっ付くことない上で、集大成であるコンクールでの「私は音楽に恋している。」という台詞。主人公の演奏シーンだけ審査員の台詞は無く、評価を視聴者に委ねるといった演出。本当の意味で、皆に音楽に迎え入れられるラスト。それらは、全体を通して一定上の作画を保っていたからこそ良く見えたことは間違いないだろう。そうして、願望充足のためのこじ付けをこじ付け以上のものに仕上げたことは凄い。そういう意味で、有象無象の願望充足を話に仕上げるお手本のような作品だった。番組最後に毎回あるワンポイントクラシックが、意外と勉強になったのも良かった。

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okm

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