『イノセント・ヴィーナス』
EDの絵が印象に残ったくらいで、後は特に想定の範囲を超えるような驚きもなく、丁寧なんだけど特に何かがテーマとして見えたわけでもなく、それっぽさだけを振り撒いて終わった。主人公に信念が無かったようにしか見え無かったけど、暗めの話が出てきも変に暗くならなかったから良いか。
『無敵看板娘』
楽しめる作品ではあったが、特にテーマも意味もない。シリーズを追って見るための作品。駆け抜けていった。そういう印象が残る作品だ。
『桜蘭高校ホスト部』
何かが足りない連中が集まってきて、さながらハイソサエティスクールイケメン組といった様相を呈した。最後は男の子が素直に王子様をやってくれないので、女の子が王子役をやるハメになった。流石にそこまでやられたら王子様をやらないわけにもいかなくなる。毎回のテンポや切れもよく、半年間楽しめました。
『RAY THE ANIMATION 』
手垢にまみれた話を特に新しさもなく坦々としただけ、特に見所もなく特に語ることもない。
『.hack//Roots』
決意の過程を描いただけで、結果に大した意味は無い。まあ、その決意の過程も半端だし、決意の内容も結果も何もないので、2クールやった意味もない。無理矢理の打ち切りに近い。難解そうだけど、難解さに意味はなく、話の引き延ばしのためといった所か。
『シムーン』
純粋無垢な少女は虚構における美しさの極みの一つだ。その少女が「あらゆる世俗に塗れ汚れていく=大人になる」過程やそこでの苛立ちや、それを自覚した上でなお永遠に美しくありたいという願い。その願いをあらゆる要素で排斥していくことが、この作品がやってきたことだ。また、永遠の若さを持つから純粋無垢な少女なのではなく、純粋無垢な少女が持つ要素の一つにしか過ぎないと看破もした。そうした現実を突きつけられても、願いを乗せて飛べる翼がシムーンということか。
暗喩が多くて難解ではあるが、テーマに忠実に作られた作品。
『恋する天使アンジェリーク 〜心のめざめる時〜』
人間が愚かゆえに滅ぼすと言いながら、その結果が宇宙を滅ぼして、全ての命を奪うことになる矛盾。要するに、話に区切りを付けるために用意された装置でしかない。
続きを予感させる終わり方なので、続きがあるのでしょう。女も世界とか宇宙の危機に巻き込まれていく話が好きなのかな。
『うたわれるもの』
「世界観、色使い、音、演者の演技の声質」といった要素に統一感を持たせたことで全く空想の世界がさもあるかのようなリアリズムを生み出した。そういう下地があるから、キャラクターのやりとりによって生まれた関係が新たなやりとりにフィードバックされて良いスパイラルを生んでいった。
別れは悲しいが、心で繋がっているので、永遠の別れじゃない。良い作品でした。
『ラブゲッCHU 〜ミラクル声優白書〜 』
まあ、良くも悪くもファンへの内輪受けに尽きる。明朗快活で純真で努力すれば良い結果になるという、ありきたりで別の題材でも成り立つ半端な話でした。新人からそれなりに上手くなっていく演技のメタ的リアリズムもない。作画面ではアイキャッチとかにたまに目を惹かれたくらい。
『となグラ!』
形式的とはいえ、別れに対して気持ちの整理は出来たので、区切りは付いた。高校に入ったばかりなら、まだまだ続く形の終わりであっても良いかな。パンツと揉み揉み感が頑張りどころか。話もそれなりの美男美女で成立する方式で捻りもない。まあ、最初から結末が決まった上の願望充足かつラブコメでした。コメディーが滑ってなければね……。
『ストロベリー・パニック』
願望充足ものの性別を置き換えたことで発生する問題に悩むこともなく、本当に置き換えただけで、プラトニックでもなく行く所まで行ったけど、特に言及する所もない。
『ああっ女神さまっ 第2期シリーズ』
結論を出さないままにずるずる続くってのは良くない。恐らくあるであろう次のシリーズが頓挫すると、シリーズの完結は永久になくなる。良くも悪くも、商業主義の結果ですな。
『格闘美神 武龍 REBIRTH』
気とか心構えとか嘘臭く見えるものを中心に添えたにしては映像やその流れが追いつけていない。漫画のコマと違って映像は連続性があるので、連続して高度でなければならない。エロいコスチュームとかも全くの蛇足でした。
『エア・ギア』
主人公の作中での扱いと映像から得られる迫力との乖離、全てはそれに尽きる。凄い奴と言われるからには凄く見えないとね。放送局的にエロも無理となると八方塞で空回りするしかない。
『韋駄天翔』
「友情、好敵手、師弟、愛情、父、家族」といった少年の成長物語に必要なあらゆる要素を詰め込んだ傑作。別れの後の再会は最高のハッピーエンドだ。
『ひぐらしのなく頃に』
謎解き編の話数なのに謎を解決するかと思いきや、新たな謎を残したまま終わった。尺の都合といえばそれまでだろうが、終盤の唐突な展開はおどろおどろしさが相まって気持ち悪さが残った。日常が徐々にずれていくことの気持ち悪さや恐怖がこの作品の全てか。
このテレビシリーズ単体はデウス的な終わり方で無理矢理ぶった切っただけなので、完結編の制作に期待したい。
『まもって!ロリポップ』
少女向け願望充足+声オタ用ユニットのCD販促。それ以上のものはない。最低限度の作画をぶっちぎった回があったくらいか。続編を予感させるラストには吃驚した。そりゃあ、怖いもの見たさ以外のなにものでもないよ。
『内閣権力犯罪強制取締官 財前丈太郎』
終わらないつもりのラストで、ノンフィクションであるかのように言及して終わる。番組自体が(必ずしも悪い意味ではなく)ちょっと動く紙芝居のような手法で、最低限の出来にしていた。他に取り立てて言及すべき部分はない。
『ZEGAPAIN -ゼーガペイン- 』
最後まで解らなかったことや、声質頼みの棒読み如きであれこれ難癖付けるのは贅沢というものか。哲学とかSFとか、そういうもの全てが良いフィードバックで結実して、それでいて最後に突き動かしたものが欲望、それも身体感覚への欲望だ。追い詰めて、それから出た答えが開き直りを越えた達観。欲望を良い方向へと導く意志の力。90年代的絶望や失望を真っ直ぐ受け止めて乗り越えた。それを00年代に打ち立てた傑作だ。ロボットアニメでそれをやってくれたことに心から感謝したい。
『いぬかみっ!』
盛り上っていって終わりに相応しい展開になっても下品に、落ちも下品。笑える下品は良い。借り物でも、開き直りだろうと居直りだろうと、何だろうと、ここまでやったらオリジナルだ。面白かった、ありがとう。

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