『キディ・ガーランド』第8話
対立組織が選民思想に満ちたものだが、GTOの役割と意義が伝わってこないので対比として弱い。かといって、馬鹿の自己主張も弱い。要するに、飽きるほど見てきた選民思想対正義の馬鹿の構造なわけだが、根幹に関わるものなのでパロディーで濁すことも出来ない。終わり良ければとするためにも、真正面から作品を試す展開だろう。
『そらのおとしもの』第9話
天井人の文字通りの上から目線が結末に絡んできそうなものの、それは置いといて、助手に立候補した会長のコスプレと新大陸パンツに対し無言の守形の馬鹿馬鹿しさで切り替えが上手い。嘘を付いて人間らしく振舞おうとするイカロスだが、会長に対しての態度があれなのが面白い。フリマでお宝を発見した智樹の怪しいお店で一儲けしようとタワーをおっ建てたりぼこぼこにされたりの回り道の馬鹿馬鹿しさが人間臭い。お宝映像がCパートで流れるあたりもこの作品らしい本気の馬鹿馬鹿しさだ。
『こばと。』第8話
浮世離れ娘が子猫を拾ってくる鉄板の話。
放って置いた方が良いけど、放って置けない人情と子供のような純粋さがよく分かる。だけど、子猫を飼い続けるわけにもいかず、里親を探すことになる。その過程で今まで逢った人との縁が巡ってくる。この作品らしい人と人との関わりが暖かく味わい深い。その一方で、保育園の借金関連の厳しさもあるバランスが良い。
『たまごっち!』第8話
一般人のまめっち達を簡単にブッキングするプロデューサーはどうなのかと思うが、意外とラブりんが友人と絡んで良い面を見せるので、悪くないように思える。どこかで見た探検隊を思わせる内容の番組で、やらせ臭も漂う海賊の財宝なんて怪しい代物を探すのもベタだ。何やかやの内に収録途中で島に取り残されてしまうも、皆で協力して宝探しを続ける姿や見つけた宝はしょぼいけど、たま友と得たことを大事にする姿勢がこの作品らしい。去り際に本物の宝部屋がありそうに見せる描写が加わって、真の宝物がより強調されることが一層良い。
『けんぷファー』第8話
文化祭あたりから露骨になってきた会長の態度が一気に加速した。ベタで温い関係を展開するヒロインにモヤモヤしていたが、今回は違う意味でモヤモヤした。主人公の鈍感さは今更言うのも野暮だが、結局はベタで温い関係のエンドレスに落ち着きそうな中で、上手く崩してきたなと。まあ、俺が会長を気に入っているだけという気もする。
『フレッシュプリキュア!』第42話
異空間とはいえ、近所に敵の本拠地があるのだから、そこで決戦があっても不思議ではない。何より、今回はそこにある不幸のゲージとそれを破壊することによる作用に主眼を置いた話だった。一人で向かおうとするせつなと助けに向かう仲間達、迎撃しようとする西南コンビに対して、プリキュアを誘き寄せれば良いとするノーザの読み筋が良い味出していた。まあ、シフォンの不思議力も可愛いから良いかな。
『ささめきこと』第8話
俺のような屁垂れにとって、朱宮君が一次試験だとするなら、今回の蒼井さんは二次試験とでも言うべきか。女子部会議にて風間の兄の作品を愛し、女性名のペンネームを信じている夢見がちな同人少女。彼女の熱く語る姿とその真実を知る純ちゃん&風間の狼狽。それは、こちらも同じ情報という名の秘密を共有しているからこそか。はたまた、畑は違えど同じ匂いがするから見ていて気恥ずかしくなるからか。
基本的にOP同様に淡い感じに作られているのだけど、アブノーマルな雰囲気が漂う場面では一転して喜劇の様相を呈するのが楽しい。むしろ、俺が純ちゃんみたいなキャラを好きなだけの気もする。
『WHITE ALBUM』第22話
ヒロインが複数居て、各々のルートがあるのは義理立ても出来る良いシステムだと思う。一方でこの作品の場合、主人公は出てくるヒロインを有耶無耶の内に片っ端から吸い寄せていく。こういう描写はリアリティーとやらに溢れているのだろうが、不愉快な気持ちになる。というよりは「何じゃそりゃ。ほんま死ね」とか「いやいや、それせなあかんことか」って毒突きながら見ているわけで……。
なぜ見ているのかというと、毎回ある心の機微をつぶさに描いた淡いタッチのカットの絵と演出が見ていて気持ちが良いからだ。全くの絵空事の他人事なのだけど、ヒロインのことを思うと腐れ外道に天罰が下るのもどうかと思うし、落とし所が見えない点では一番注目しているかもしれない。
『遊戯王5D’s』第86話
荒野の町とその外れにある墓標のように並ぶデュエルディスクの付いた杭が新たなる予感を髣髴させる。鉱山の権利を巡って対立する2つのファミリー、引き金を引くとディスクに変形する銃を使った早撃ちで先攻が決まり、負けると棺桶で運ばれ一生鉱山送りになるルール、ここがどこにあるかは触れられていないが何と言おうと西にあるだろう。
死に場所を求め彷徨う鬼柳が辿り着き、用心棒として自分を殺してくれる強い者を待つ死に場所として十分な空気に満ちている。勿論、それを助けに来た遊星が一際格好良い。
要は、かつての仲間を絶望から救い出すだけの話なのだが、これだけの舞台をネオドミノシティとは別の美術まで用意して作る姿勢に痺れた。
『11eyes』第8話
赤い夜突入時に眼に来るとか、その目が邪気眼的なこととか、日本の名刀を体内から出せるとか、多重人格戦闘少女等々の設定が真面目に増えるので笑えたが、いよいよの最終兵器ヤンデレが能力を覚醒させた。病んでいる描写のステレオタイプが、……。そうか、ステレオタイプの設定で組み合せた自動生成的な印象を真面目にやるから笑えるのか、この作品は。そうすると、病んでいく描写が痛ましいというよりは、恥ずかしくて居た堪れない気持ちになるのもよく分かる。
『スティッチ!~いたずらエイリアンの大冒険~』第6話
頭の上に載せると姫扱いされるエイリアンでてんやわんや。要は「独裁スイッチ」系の話になるのだが、異空に消えるのと比べて、ギザギザのパイナップルになるのはかなりきつい印象だった。そうした、ジャンバ博士の驚異の科学力もさることながら、自発的に周囲の人間が消えたり罰を与えようとする様と可愛いキャラクターの懸隔てで説話的な要素の強い回だったなと。
『ミラクル☆トレイン~大江戸線へようこそ~』第7話
淑女のお悩み解決のパターンを乗客無しで崩してきた。列車が暴走して異空間に突入する絵面も馬鹿馬鹿しい。それでいて、廃駅らしき場所が出てきたり、ミラクルトレインの存在に関する謎が垣間見れる。つっこみ犬のとくがわが狼狽しながらも役目を忘れないばかりか、進入不能の車掌室に犬用ドアから入れたりで不思議な奴だ。まあ、直球の配役なので、毎回笑ってしまうけどね。
『NARUTO 疾風伝』第135、136話(SP)
この作品では、ナルトのド根性忍伝と対を成す形で、サスケの復讐劇が存在する。その両者における違いには、生活観の有無が挙げられる。忍者なので、任務での話が中心になるのだが、それでもナルトは時折部屋の場面が現れるので、一人での孤独と自由さゆえの散らかりから生活が伺える。一方で、サスケの方はいつも元凶の回想ばかりで、恨みと憎しみを培ってきた生活が全くといって良い程に描かれない。そうした実態の掴めないことは、想像力の入り込む余地のある魅力なのだろうが、限度があるように思える。戦闘は見応えあるので見られはするものの、今一つ来るものがない。
『空中ブランコ』第5話
場の空気を壊したい衝動を抑えられなくて困っている同業者の同級生は、軽い行動を起こすことでストレスを発散出来、症状が和らぐ筈だったのだが……。本当の原因に心当たりはあるのだが、見ない振りをすることで事態は悪化の一途を辿る。義父登場時の違和感で落ちは見えているのだけど、やはりというかアレを取った時のエフェクトには笑ってしまった。
『生徒会の一存』第7話
東京行き自体に唐突な印象を受けるが、寝台特急の客車を利用することで生徒会室の代わりになり、上野駅への上京物語的な情緒もあって上手い。アニメらしいカットの多さが車内を色々な角度から見せる効果を発揮しているのも良い。陽光を受けたホームでの決めポーズは、ポーズを作っただけの見応えがあった。話は駄弁るのがほとんどなので別段面白くもないが絵作りは面白かった。
『フレッシュプリキュア!』第40話
効果的だけどやり過ぎ感のある身内狙い作戦再び。鏡の中のソレワターセとお母さんが入れ替わって、家の中を侵食していくホラー仕立てで恐い恐い。長く一緒に暮らしているため、変化に鈍感になっているラブに対し、孤独を恐れるせつなが感性で気付き、便利機能で鏡の中から助けたりと大活躍。今回ばかりは残りの二人はおまけにならざるを得ないが、家族ってそういう面もありますな。
『クレヨンしんちゃん』第685話
移動動物園が来たのに、時機を失したり気運の悪さで人気所の動物と触れ合えないマサオ君の姿が、どうにも幼稚園児に見えないのは相変わらずだ。空いている所を求める内に、今一つ人気がないハムスターを見つけて「お前は僕だ」となる姿には哀愁が漂う。その上で、本当は人気がありすぎてお腹一杯になっただけ、星型の模様のある可愛い奴が不人気な訳がないですよねと突き落とす形を何時ものBGMで〆る切れ味。
箸の持ち方が綺麗な方が何かと得だと誘導しながらも、格別の得があるわけでもない落ちにすることでお仕着せがましく感じさせないように作られている。ゴールデンで長いことやってきただけあって、匙加減の上手さに毎度ながら感心した。
『聖剣の刀鍛冶』第6話
魔剣の力やそれを操る技術のように、外的要因に関連した差で勝敗が帰するのは良いが、それで粋がる連中は好かんことが改めてよく分かった。餓鬼が暴れるにしても、銃乱射相当に思える暴れ方で、反省や罪の意識と罰に相当する何かといった信賞必罰がない。原作通りの描写であっても、映像で迫力が増しているのだから、後ろめたさも増すのではないか。死なない前提だから大丈夫では安過ぎる。
『そらのおとしもの』第6話
自主規制全盛の中、水着は着衣エロスの殿堂として下着にはない健全な不健全を担う。話の中身は海で煩悩とかがワーキャーして思い出が増えるだけなのだけど、今回はものがほとんど無い海に来たことで、現代性を感じさせるものが少ないことがより際立った。EDが第2話以降昭和の曲のカバーなことも考えると、昭和的な懐かしさのある煩悩とそれを戒めるチョップ、現代チックなSF少女、メタ視点の守形とバランスの取れた布陣だなと思った。
『乃木坂春香の秘密 ぴゅあれっつぁ』第6話
縁結びの御利益ありとされる岬で、初日の出を見てたぶんキスをして、恐らくはまだ付き合っていないことになっているのはいい加減不純に思えてきた。こういうデザインと内容の作品で、着物が乱れたので直す場面が見られるとは眼福。まあ、それが全ての作品ですわな。

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