『鉄腕バーディー DECODE』
二人のそれぞれの日常が見ている側には日常と非日常であり、特に文明的にも肉体的にも上位であるバーディーからつとむへの歩み寄りが見所だった。
要は、バーディーの体で心は同居しているが、あくまでバーディーは客であって主はつとむであった。リュンカの正体が分かるにつれて、肩入れしていくことからもそれが伺える。
忘れることで関係の全てが壊れてしまうことは悲しくもあり、続きがあるからこそ、一先ずの終わりとして出来るものでもあろう。次シリーズでの完結に期待しております。
『Mission-E』
前のシリーズでは局地的な部分しか描かれていなかったが、今回のシリーズではTYPE-Eと社会全体との関りにまで踏み込んだものが、人間関係を中心にして描かれていた。また、前のシリーズの中心人物達が先輩としてかつ当事者として提示する関係が、未来の安泰を思わせる力があって良かった。
近未来だろうと人の心のありようはそうそう変わりはしないのだから、ちょっとした仕草や口調で相手を察し皆まで言わないやり取りはアニメの中ではかなり良い出来だったと思う。人を大切にするこの作品は大好きでした。
『ゼロの使い魔・三美姫の輪舞』
この作品はいつもそうだが、ツンデレラブコメがメインで闘いはあくまで話を物語りにするためのおまけ、いわば話の凝った特撮やロボットアニメの戦闘シーンのような存在だろう。なので、闘いの場面の物足りなさは今更とやかくいう所でもない。ラブコメ部分については新キャラ登場で、着エロを突き詰めた内容にも満足した。ただ、最終的に主と使い魔の関係が、騎士と姫の関係なのだと気付かない鈍感さでイライラを煽っておいた割に、ベタだからか肝心の場面が映像的にあっさりとしていたことが気に入らなかった。そこはテーマなのだから、やっぱりね。
『マクロスF』
肝心な場面のほぼ全てで歌がBGM的な役割として流れており、見せ場では映像と相まって昂揚感のあるものだった。特に、最終決戦での最初から最後までライブは圧巻だった。ただ、盛り上げるというかシリアス一辺倒に切り替える潤滑油として、キャラクターの死を効果的に使おうとしたことが、最終的な歌と愛のテーマの前にして逆に不要なように感じられたことが残念ではあった。それ以外は、大筋では特に不満も無くマクロスシリーズ全体を歴史として効果的に使ったり、シンクロさせたりしたことはニヤリとさせられたし、歌には力があるのは確かで、それを映像として作品内容として綺麗に見せられていたので良かったと思います。
『スレイヤーズ REVOLUTION』
伝説的作品の復活だが、おさらい無しにキャラの立ち居地とそれらしく見てくれることを狙って、話の進展に最大限に力を注いだことは正しい判断だったと思う。特にワイザーは最初こそただのウザキャラかと思ったが、ゼロスが出るまでの繋ぎの役割以上に狂言回しとして働いて、かつゼロス登場後は二人の意味深な笑みと対峙がゾクッとした。
あと、最終決戦で皆が力を合わせて敵を討つってのはベタだけど悪くなかった。ただ、知略を尽くして闘っているのだろうが、新シリーズの話の中で見せられる設定、特に魔法の特性についてはもっと見せて欲しかった。より設定を知っているファンだけが楽しめる内容になっていて、それがこの作品の現時点での限界ってことなのだろうなと思うと、一時代を築いた作品だけに悲しくもあった。
とりあえずは、大規模な局地災害が相手で今クールは終わったが、残りのクールでは世界規模の敵と日常が繋がっていく話が見たいなと。
『西洋骨董洋菓子店~アンティーク~』
店の皆が一体となって、店が軌道に乗って、直接的に過去の事件を解決したわけではないが、類似事件を解決することで過去を乗り越えつつ、取っ掛かりになりそうな予感を漂わせながら終わった。続きがあってもなくてもまあどちらでも良いが、特に盛り上りもないけど盛り下がりもなかった。コミカルな場面での崩しの絵を違和感無く使っていたりと、試みは面白かった。
こういうそこそこで嵌れば楽しめる作品がジャンルの層を厚くすると思うので良かったと思います。
『セキレイ』
セキレイ同士の代理戦争的な構造に否応無しに巻き込まれていくことと、弱いセキレイを逃がそうとする男への共感が、ただ優しいからそうしただけで、そこそこ強くて闘いたがりのセキレイを持つ主人公にとっては、自分を重ね合わせているでもない。それがこの作品に対する違和感の全てであり、ちょいエロ以外で特に見所もなかったし、僕にとってはそういう作品でしかなかった。
毎度ながら、見せ方が甘くて顔がそこそこで優しいから女が寄ってくる作品に馴染めってのは無理がありますな。
『S・A スペシャル・エー』
前期OPのヘロさとかコメディータッチでの天然ボケとか滑ってたけど、それも含めて独特の味があって、特に濃い模様を見せるようになった後半あたりから出てきた絵が淡くなって心理的時間が止まったかのように描かれる演出はかなり好きだった。
場やそこでの繋がりの大切さを全面に押し出した〆方が、この作品らしくて良かった。勢いが付くまで遅かったものの、気軽に見れる作品でした。
『我が家のお稲荷さま。』
親から子へと受け継がれるお稲荷さまとの絆が見せ所だったが、過去と現代を行ったり来たりだと話の連続性が損なわれることもあるので、そこはそういうものだと受け取れる最低限のモンタージュで済ませてあって、それが軽めのこの作品には合っていたと思う。全体的に可愛らしく崩れず仕上げられていたのも良かった。
天然でものを壊して家計に打撃ネタだけは最後まで好きになれなかった。しかも、見せ場とばかりに派手だから堪らなかった。ただ、同じ天然でも全体的に生活に関係ない部分やずれたやり取りは好きだった。
特段に面白いことはなかったが、結構好きだった。続きがあるなら見ようと思うし、なくても別に構わない。気軽に見れる作品でした。
『×××HOLiC◆継』
運命には決して逆らえないながらも、あえて他人の為に善を成す四月一日の姿勢は、運命による予定調和であっても心に来る。
その上で、これまでの行いに対して、新しいゲストも含めてのゲストキャラ総登場の展開と次への布石も打って上々の仕上がりでした。
ここまで来ると、完結に期待せずにはいられません。一先ず、お疲れ様でした。
『図書館戦争』
戦闘での見せ場とか仕掛けに期待していたけど、結局は安っぽい恋模様が落とし所になっていて……。これが、ノイタミナ枠の方針なのだろうなと思うとゲンナリするが、稼ぐことも必要なので仕方ない。好みに合わなかっただけ。
『魔人探偵脳噛ネウロ』
パターンだけど、探偵ものというよりは、犯人の変身で笑わせる部分もあって、あまり真面目な感じはしなかった。色々あったけど今後も続くぞ、な終わり方は作品に合っていた。まあ、こういう作品もあったなという具合に埋もれていく作品の一つかなと。
『PERSONA−trinity soul−』
放送の間が空いたこともあるけど、観念的な話になっていって、結局鯨って何だったのかと。まあ、ペルソナなる精神の力を具現化した存在を束ねる存在ってとこか。事件を通して誰も幸せにならなかったのでやや辛かった。ただ、一概に悪いということもなく、出来は良かった。合間の馬鹿話とか日常の方が好みだった、それだけ。
『NeoAngelique Abyss』
キャラクターの過去を振り返りつつ、時折見せる教団との不和がありながらも、最後には浄化の力と教団の力との融合がタナトスを倒す展開が王道で気持ち良い。アクションと物語で見せることに重点を置いた演出が、作品の願望充足的な側面とは間逆ながらも気持ちの良いものへ仕上げたように思う。次シリーズへの引きも十分で期待できそうだ。
『D.C.IIS.S.〜ダ・カーポIIセカンドシーズン〜』
まあ、全てが予定調和の結末でそれに関して不満はない。あえていうなら、前シリーズのヒロインとの関係が本当になかったかのように扱われて、今シリーズの擬似家族との歪な関係に終始したことが気に入らなかった。要は人気の2トップで〆たってことなんでしょう。
『あまつき』
世界とかどうでもよくて、男キャラとの変な雰囲気が楽しいわけでもなく、朽葉をヒロインとして見てきたわけで。一段落着いて、次シリーズへの布石も敷いて終わりと。で、肝心のヒロインとしては終ぞ振り切れず、それが味だったってことにして再開を待つ。
『純情ロマンチカ』
キャラクターの性別こそ倒錯的だが、どのカップルも恥ずかしくなる程に純愛で見ていて困った。それでも最後まで見れたのは、つい引き込まれるものがあったからで、それがこの作品の魅力だろう。(ノーマルな俺にとっては、見てはいけないものを見ている変な興奮がそれに当たる)
まあ、次シリーズがあれば、きっと気楽に見流そうと思いつつも凝視するだろうなと思う。
『ドルアーガの塔』
皆の力が結集して、与えられた神の力ではなく仲間の託した希望が止めを刺す展開は王道で良かった。そのように、ジルの成長物語として綺麗にまとまっていた中で、真意の見えにくい引きで次シリーズへ幕引きしていったので、折角の余韻がジル同様に動揺に変わってしまった。そういう面もそうだが、第1話の妄想版で幕開けしたのも含めて取っ付き難いわけではなかったが、ちょっと肩透かしが多かったように思える。まあ、それも含めて味があって良かったと思うので、対となる次シリーズと合わせて真なる意味で物語が完結するのを待ちたい。
『仮面のメイドガイ』
新たなる陰謀と新たなる仮面のメイドの登場にこれからの展開は、といった所で上手い具合に一区切り付けた。そういうこの先も続いていく終わりなき日常として落ちを付けることが、不死身のコガラシにはよく合う。出落ち系なので、1クールで区切った方が勢いに乗って見られると思うので、今はあるであろうシーズン2に期待しつつ、お疲れ様でした。
『紅』
同監督の『RED GARDEN』と直接話の繋がりはないが、主に作り方では前作での試みを踏襲していた。プレスコによるキャラクターを越えた生のやり取り、特に本格素人ミュージカルの回やアクション時の息遣いが凄かった。また、紫の振舞いを少女らしいと納得させるだけの造型と五月雨荘の古風なアパートとしての細かな色あせ具合が幼さにも似た不安定さを兼ね揃えていたことも大きい。今作は演出の試みに対し話の方向性が分かり易く共感出来るものだったので綺麗にまとまったと思う。
それでも作品自体はニッチな分類に入るだろうが、独特の作品として記憶に留めて置きたい。

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