目次
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まとめ
・キャラクターの愛着を偶像やキャラクターの使うものを商品に組み込んだ
・現在はキャラクターの登場する作品そのもののビデオグラムが商品となっている
・商品を宣伝することは同じ、ただ作中に商品が登場するかどうかが異なる

キャラクターへの愛着は、見た目や行動に対し生まれる。そこから発展して、愛着のあるキャラクターの偶像を所持するとかキャラクターが所持しているといった属性、更には愛着のあるものの所持と商品を組み合わせたことが、子供向けアニメから始まった日本のテレビアニメの特徴だ。遊びの興奮が、世代に合わせて用意されていると考えると分かりやすい。今は、作品のビデオグラム自体が商品として成立している。つまり、商品を宣伝するのは同じで、作品の中に商品の宣伝が出るか出ないかの差だといえる。
『スイートプリキュア』第1話
今度は音楽がテーマ。幸せと不幸のメロディー用に楽譜を巡っての闘い。敵味方双方に白猫と黒猫を配置した分かりやすい構図。と、ちょっと『マイメロ』を思い出させるというか、まあ昔からある題材なので仕方ないですな。反面、台詞が背景世界の説明までも含めた口調になっていて、そこまで説明せんでも分かるのになと。変身時の口上は古めの言い回しになっていて、前作の良い所を引き継いでいるなと。音楽にお菓子作りと分かりやすい求心力があるので、キャラの見せ方で頑張って欲しい。後、主人公二人が前は仲良しだったのに、仲が悪くなっているのが気になる。不和も人の関係だけど、見ていて疲れる。組曲がテーマで不協和音してりゃ世話ないので、早めに修復して欲しい所。EDはこれまでの蓄積が効いて滑らかさが更に増している。クレジットを見る限り東西南北で二人増えそうな感じですな。まずまずだけど、押してくるものがないってのが、ちょっと残念ではある印象。
『バトルスピリッツ ブレイヴ』第21話
自分を見直す旅に出たバローネを探すフローラとイオラス。強面の犬のイオラスが、ごみ箱を漁るのは面白い。見つけたバローネは、助けた人間の少年との触れ合いを通して再起への道筋は立ちつつあるものの、覇気の失われた様相。フローラは激怒して、性根を叩き直すとバトルで暴風を巻き起こすことに。能力が物語上でも機能するのは最早お馴染み。ライフ1で踏みとどまることで、ぎりぎりのところで失われていない闘志が見え隠れする展開が良い。奮起しての逆転劇で負けてカードバトラーとしては悔しいところだが、大将の力強い復活に改めて惚れ惚れするフローラが良い味出している。犬っころにはレア探し、フローラにはスパイと新たな任務を与え、バローネは再び闘いの中へ帰る。役者が揃って、次回予告ではダークサイドに落ちたデュックが強襲と、実に実に暖まってきた。
『ポケットモンスターDP特別編』
まずOPがDPのだった点が良い。勿論EDも。BW放送中とはいえ、DP特別編と銘打った以上、総合でDPになるようにするのは当然といえば当然だが、今日日のタイアップのしがらみを超えられるのは流石。本編はというと、サトシと別れたヒカリ、タケシの後日談。
ヒカリ編は、実家でゆっくりとした生活を送る中で、準優勝じゃ満足出来ないと湧き上がるトップコーディネーターへの思い。ママさんは、それを察してか、あっさり良いよと。準優勝に終わったバトルの復習バトルで送り出す。あっさりとしていながらも、伝わってくる親心が良い。新しい地方への旅立ちへのアドバイスと挨拶を兼ねて、博士の研究所へ訪れる。御三家選びに来た子や御三家に絡んだ一悶着があって、しっかり先輩トレーナーとしての威厳を見せつつ新たな旅立ちの決意を固める。かつての旅では、後輩だったが、やがては先輩になって、受け継がれていくものがあるってのは良いもんだ。
タケシ編は、ポケモンドクターを目指す傍ら、実家のニビジムで問題が発生。認定ジムの資格を監査に訪れる挑戦者。正体を元ヤマブキのジョーイさんと見抜くタケシは相変わらずだが、責任者の手続きミスが原因でジム存続の危機に。原因は、久方ぶりに登場する大らかなタケシの父親にあった。普段からのタケシのポケモンへの思いと行動が通じ、再度の認定バトルが行われることに。今度こそ弟のジロウが責任者としてバトルし、無事認定。タケシの両親は相変わらずのバカップルながらも、大らかに子供を信じた結果を受け入れ、見守ることが出来る優しさを持っている。
どちらも、旅を通しての成長や親子の関係が良い味出してました。
『遊戯王5D’s』第146話
ゾーンとの決戦を前に、一応アンチノミーがブルーノだったと告げられて驚いておく残りの一行。いよいよ決戦となって、満身創痍ながらも颯爽と割って登場したアポリア。遊星達5D’sとの闘いによって気付かされた絆に見た希望を胸にゾーンに挑む。アポリアのグランエル召喚で最初から全開のデュエルに対し、攻撃力0の神と破壊を無効にするトラップで答え、そのモンスターの効果発動に合わせ更なるトラップを手札から繰り出してくるゾーン。流石ラスボスだけあって、連戦でのライディングデュエルも安心のオリカ野郎だ。グランエルを手札に押し返し、お次のワイゼルの攻撃も、手札からのトラップで攻撃を無効にしてダメージまで与えてくる。何てグロいカードだ。さながら、アポリアの思いさえも往なすといったところ。ダメージのお返しへ追い打ちとばかりにレベル10以上のモンスターを出せるトラップで新たな神を召喚してくる。そんな絶体絶命のアポリアが、信じた希望を引き当てて通じるかどうかで次回への引き。熱くて面白い展開が続く。
『フラクタル』第3話
お笑い三人組に連れられてやってきた村では、フラクタルに頼らない生活を営む人々がいた。フラクタルに頼る者を口汚く罵り、自由に重きを置くのだが、この自由とやらの有難味は今一つ伝わってこない。彼らにはネッサを肉眼で見ることは出来ない模様。そうこうしている内に、星祭りなる催しを襲撃する算段に。で、襲撃とやらはお笑い三人組がいるので、笑える内容かと思いきや、銃撃を始めて乱戦に。物陰からせこせこ撃っていれば良いものを、ちょろちょろ出てくるからデブが気を取られた拍子に撃たれる始末。だけど、よく分からない背景でよく分からない奴が死んでも何とも……。まあ、一般人をしこたま打ち抜いたのだから報いですな。
システムに取り込まれて生かされている人々への揶揄や自由のために闘う人々のずれを現実に当てはめているのだろうが、見ているこちらに感情の流れを作る見せ方になっていない。だから、世界の矛盾を嬉々として拙く語られているだけになって気持ち悪い。
『たまごっち!』第65話
前のカオスバージョンもだったが、OPが可愛い方向への破壊力髙し。
Aパートはメロディランド観光。観光前夜のメロディーチャームの練習から始まって、どれみっちとそぷらっちが喜ぶ姿と露出に余念がない。メロディランドは音楽に溢れた街並みで、五線譜を思わせる色鮮やかな線に止まる音符と鳥を組み合わせたたまごっち、入るとテノール声になる喫茶店と面白い要素が満載。合間に入るメロパパとメロママの離れて暮らす娘への思いが、また良い。好奇心旺盛などれみっちが、風船カーに気を惹かれ屋根に乗ってしまい迷子になってBパートへ続く。ザッハトルテ(オーストリアの代表的な菓子)に風船も音符と、音楽に関するもので一杯だ。
Bパートはどれみっち探し。いつの間にか眠ってしまったどれみっちは、まだまだ子供ですな。で、美味しい匂いに惹かれて目を覚まし、メロディっちと同じ帽子を被った人と間違えて迷子になったことに気付く。量産品かレプリカか、まあ有名人なのでレプリカかな。中々見つからないどれみっち、気に入っているメロディーチャームの音で呼び寄せることに。上手く行っただけでなく、街の人々にも幸せな気持ちを届けるメロディっちの姿を見て思わず涙ぐむ両親の姿。一段落したメロディっち宅にて、別れの挨拶をしようとするメロディっちは、両親がどれみっちとそぷらっちを娘と一緒に居て欲しいと送り出す場面に遭遇する。それを見て、親心と別れの寂しさに涙して抱き合う姿、年を重ねて改めて見る親心も良いもんだ。
新しいグッズの宣伝と新キャラの露出をしつつも、ちょっと複雑だけど分かる部分もある心の機微を見せる。作り手の親心が伝わってくるような気がしますな。
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まとめ
・やるなら勝つ方が分かりやすい見所になる
・力や運を持ったものは、やるべき時にやらなければならない
・武道の精神を重んじることと似ている
・力に運用哲学が伴うから、結果に共感出来る
・分け隔てなく行えることが肝要

僕の考えた最強のアニメ-お人好し大国と普遍的価値観-
http://69541.diarynote.jp/201102050741175022/

上記リンク先で述べたように、優しさを持ってやるべき時に行動出来るかどうかは重要だ。そして、勝つ方が分かりやすい見所になるので、主人公が大いなる力や奇跡を呼び込む運を持っている場合が多い。優しさを持ってやるべき時に行動出来るからこそ、共感出来て奇跡を呼び込む運を論理的に受け入れられる。逆にいえば、主人公が大いなる力や奇跡を呼び込む運を持っているならば、やるべき時に行動しなければならないともいえる。武道において、鍛えた肉体や磨いた技以外に強い心が求められるのと似ている。力が強いだけでは駄目で、正しい行いが出来てこそといった哲学を受け継いでいる。勿論、問題の規模や対象が友人や仲間は元より、世界の見知らぬ人々のためであっても区別しないことが肝要だ。
『ハートキャッチプリキュア!』
序盤は、ひねらないサブタイトル、天真爛漫なえりかと部長を務めるファッション部の活動。中盤にかけては、ファッション部に入って絡みが増えて距離感を詰め、強さと可愛さの均衡点に行き着くいつきと見所があった。しかし、終盤に向けてゆりが加わり四人揃ってからは、いつきと比べると部活も含め中等部と高等部との交流の無さがあって、仲間意識はあるけど距離感のある集団に見えた。
元プリキュアなつぼみのお祖母ちゃんは、最後の試練を課したりと見守る役割のはずが、まさかの変身には驚かされた。ダークプリキュアは、高校生でプリキュアな恥ずかしさの鏡写しとでもいうべきか。彼女とサバーク博士の絡みは良かった。ただ、サバーク博士は動機や扱われ方が気になった。立て続けに、ラスボスの動機付けの弱さがあって、最終話の中盤で闘いが終わる新しさには面食らった。いくらブロッサムの成長があっても、博士のせいで気分よく〆てもしっくりこない。でも、闘いが早く終わったので、エピローグが長めだったのはとても良かった。だから、闘いを早めに終わらせたともいえるわけで、匙加減が難しいところ。
新しいこと盛り沢山ながらも高位にまとまっていたので、良い作品なのは確か。眼鏡でも可愛かったつぼみ、えりかのうざ可愛さ、女の子し始めたいつきの自然体の強さと可愛さ、ゆりさん十七歳の強さと美しさ、妖精のお尻から心の種、悪の幹部三人集とダークプリキュア、どれも大変美味しゅうございました。
『バトルスピリッツ ブレイヴ』第20話
地球の異変は予想を超えた加速度で進む。それを受けて十二宮Xレア探しが間に合うかどうかの不安に駆られるクラッキー。不安は伝染するとでもいったことろか。無邪気に跳ね回るアンとファンが対比になっていて可愛い。まゐの言葉では不安を打ち払えず、ダンが新カードの実践練習も兼ねたバトルを申し込む。仲間でもあるが当初はライバルの一人でもあっただけにダンとのバトルには説得力がある。
ダンが前に使っていたような赤と黄のデッキで挑むクラッキー、対するダンは白と青と緑で3枚の十二宮Xレア入りの対比的なデッキで受ける。バトルの合間の会話で、パトスピで物事が決まった異界での経験とは違い、現代に戻れば微妙な立場の光主達。未来をパトスピで救う手助けに呼ばれて駆けつけたことが語られる。もしレア探しが間に合わなかったらどうするのかと問うクラッキーに対し、考えたこともないと返すダン。迷いの方向性の違いが明確となり、だからこそ闘う資格があり、ドローにも恵まれるとの言はメタ的。ライフを打ち壊したり、打ち壊されたりすることと、別の何かが打ち壊されることを掛けるのは、この作品の分かりやすいところ。今回は、クラッキーの迷いが打ち壊された。
まゐが、3枚の十二宮Xレアを並べたことに対しての「並べたかったのね」や、負けたクラッキーとの「グロッキー?」「NO、クラッキー」とギャラクシーの決め台詞のようなやり取りが面白く、いがみ合いとは違った互いを認め合ってのぶつかり合いを強調していた。最後、剣蔵を撮影役に、クラッキー、まゐ、ダンと寄り添って写真を取る場面を見て、ユースが羨ましいと独白することで、そう素直に思えるようになった変化や仲間として過ごした時間の違いを対比していて良かった。
『レベルE』第3話
前回、雪隆の部屋にお持ち帰りした死体は擬態であったものの、宇宙有数の戦闘種族ディスクン星人に宣戦布告を受ける。日没を刻限に王子を渡せと迫る相手に、宇宙船を抑えられ、マンションを包囲され、ディスクン星人と闘うための頼みの綱は失われた王子の記憶。追いつめられていく状況の不安感と緊迫感が、間の取り方と目や細かな仕草で表現されている。
その中で、追いつめられ徐々に壊れていくクラフトのショックを与えて記憶を蘇らせようとすることを口実に憂さ晴らしする様が笑えたりと、硬軟の織り交ぜが上手い。以前登場した謎の装置を使ってディスクン星人の弱点を調べている内に日は沈む。闘争心剥き出しでマンションに殺到するディスクン星人達は、宇宙人という得体の知れなさもあって怖い怖い。王子を守るために立ち塞がった雪隆に知らされる真実。密室劇ともいえる内容ながらも、硬軟の落差の付け方が巧みで、久々に仕掛けの上手さを感じさせられた。
『遊戯王5D’s』第145話
限界を超えた境地トップ・クリア・マインドによってデルタ・アクセル・シンクロを行い更なる猛攻を掛けるアンチノミー。同時に、後方よりブラックホールが敗者を飲み込むべく迫る。流石に、大量のカードを使っただけあって、デルタ・アクセル・シンクロで呼び出されたモンスターの効果は凶悪。一気に劣勢に立たされる遊星。未来を信じて闘うことで得られる境地がそれを救う。シューティングスターの連続攻撃は、大雑把だけど分かりやすいから良い。さらばブルーノ。彼もまた未来と希望を信じた仲間だった。熱い展開だけど、シンクロカードを託して死ねってのは流石に酷いか。もう一歩押してくるものが欲しいね。
『スティッチ!~ずっと最高のトモダチ~』第23話
異なるシリーズの主人公同士が出会う話。スティッチがユウナとの登校途中でリロらしき少女と出会う。時同じくして、ハムちゃんが化けられるエイリアンを送り込んできて、さてどうなる。大人になってお別れしたリロが、子供になって会いに来たのだろうか、それともエイリアンの化けた偽物だったのか。といった具合で、久々に仕掛けを活かした展開。自分だけのトモダチだと思っていたユウナにとっては、スティッチを取られたような気分で複雑。落ちはというと、リロとスティッチが再び出会って、それでいてユウナとの絆を更に深める。他者制作であろうとも、どちらのシリーズも肯定する姿勢がとても染みる内容でした。
『ドラゴンクライシス!』第3話
さらわれたローズを助けに行く話。ブラックドラゴンのオニキスは、天性の力で人間を見下してはしゃぐ、俺の嫌いな典型的キャラ。竜司君はというと、世界で8人のレベル10の遺物使い。特例で認められた遺物を使ってローズを助けに行く。天性の力ではしゃぐ点は同じだけど、個人的だろうと力を人助けのため正しく使おうとするのは、ベタでも好きだ。分かりやすい糞野郎オニキスの力に恐怖したローズは、良くしてくれた皆を慮って結婚することに。体よくそこに現れた竜司君との愛の力が発動して、オニキスを退けましたとさ。って、展開速いね。ぐだぐだ引っ張るよりは、鬱陶しいキャラと展開はさっさと終えるに限る。どうも新展開新キャラ投入祭りの作品みたいで、思いの外楽しめそうな気がしてきた。
『たまごっち!』第64話
Aパートは、メロディっちの故郷メロディランドへ向かう話。故郷からのお届け物に潜り込んで、どれみっちとそぷらっちがやってきた。肝心の荷物は、新しい帽子と女王の御前で演奏する大役を仰せつかった招待状。きゅーきゅー、みゅーみゅーで喋る二人が、ちっちゃくてとっても可愛い。メロディランドへはまめっち一行も同行することに。出迎えたメロパパは宮廷音楽家、メロママは歌手とサラブレッドぶり。特にメロママ役のマリ姉は想像以上の破壊力だ。物心付く前に王宮へ行ったことがあるメロさんが、忘れていた記憶を思い出してBパートへ。
Bパートは、王宮での演奏と新しい玩具の顔見せ。回想で久しぶりに見るちびメロさんが可愛い。王宮での伝説の楽器に選ばれた過去が判明して、なるべくして今の地位を築いたと思わせる説得力がある。封印された楽器の安置のされ方が、ファンタジーを髣髴とさせて面白い。女王様と再びの邂逅と演奏での緊張から、曲目の変更を申し出る。曲は勿論、EDにもなっているあの曲。素晴らしい演奏によって、メロディーチャームなる伝説に謳われる道具が現れる。啓示に従い授けた楽器の奏者としての成長と、作り上げた曲と玩具になる道具の価値を物語の展開で後押しするやり方は、流石王道。
EDのラストカットに出ているのがメロディーチャームなわけか。毎度ながらの驚きも、掌で踊らされているのだけど、不思議と嬉しい気分で癖になる。毎度毎度やってくれますわ。
目次
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まとめ
・素朴な優しさは誰もが知っている価値観
・誰もが知っている価値観に基づいた行動だから共感出来る
・とはいえ、流れと整合は必要
・万人受けする価値観ゆえに王道と定義する

メモ-伝統的価値観-
http://69541.diarynote.jp/201005080032414074/
上記リンク先で述べたように、お人好し大国ともいえる我が国において、伝統的に表現されている素朴な優しさがある。要は、義によって己を律することが出来るか、必要な場面で義によって動けるかということだ。突然の雨から世界の危機まで、様々な問題や問題と呼ぶに値しないことに対し、価値観に基づいた流れと整合を見せる。玩具の販促から、ほのぼの学園もの、果ては世界の危機やサービスシーン満載の作品まで、広く好印象にまとめている。そこでの素朴な優しさという価値観は、万人が知っているものであり、素朴な優しさに基づいているお人好しだからこそ共感出来て奇跡が起こっても許容出来る。よって、王道と定義する。
『バクマン。』第16話
王道で行くことにした渾身の一作が落選する。亜豆のデビューもあって、次作のアイデアをどうするかで壁にぶつかる。そんな中、皆に触発された見吉が携帯小説家を目指すと宣言し、最高と亜豆をモデルにした話を書くと言い張る。壁を感じていた中で、ベタな弛緩とメタな感じが上手い。亜豆のいかにもな売り方のデビュー作を鑑賞したことで湧き上がる気力。一方で、上手いネームが出てこない気晴らしに見吉とデートする秋人。エイジのアシスタントへの誘いや見吉のいじらしさと可愛いさへの気付きもあって、サブタイトル通りの「壁とキス」の意味が重なる展開に。それを目撃した最高。秋人と見吉の絆の深まりと反して、最高と秋人の絆が試される展開を予感させる。展開こそ相変わらずだが、心の機微の見せ方が上手い。
『レベルE』第2話
異星人の少年は王子らしい。護衛部隊が現れて近隣の宇宙人を訪ねて聞き込みを開始する。異星人同士の警告を含めた一触即発の空気が重い。その中での護衛隊長クラフトの王子への苛立ちとなだめる部下のやり取りが面白い。護衛部隊がやってきて王子だと分かり、主人公の家から再び消えた王子を探して右往左往。散々探して、ファミレスだか喫茶店だかで見つけた後に、経緯を話す中で何だかんだで良い奴だと思ったのも束の間、ぶっ飛ばした相手が大変なことになっていた。警告に反してしまった結果巻き起こる受難は次回へ。何気ないやり取りの間の取り方が面白かった。
『放浪息子』第1話
性同一性障害と思しき中学生の少年を主人公に、同種と思しき友人の少女、もう一人の友人の少女に小学校時代の同級生や新しい同級生を含めた青春群像といった感じ。水彩調の淡い色使いと優しい音楽に独白を使った見せ方は、危うさとも見て取れるもので、多感なお年頃を表現するのに合って見える。難しい問題を扱うゆえに単純には行かないと思うが、キャラクターの心を抜きに収まりの良さだけで考えれば、カップルの性が倒錯しているだけともいえる。だから、落としどころに不安があっても大丈夫な気がする。見るのに気力がいる作品ですな。
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まとめ
・名前が同じでも媒体が違えば別の作品である
・世界が同じでも媒体が違えば別の作品である
・アニメ自体の良し悪しは、アニメ自体の内容による
・媒体に合わせた変更は、他媒体でも共通して使える表現かどうかによるところが大きい

作品を語る上では、原作や他媒体同時展開の同名作品があろうとも、アニメであればアニメ本編の内容のみを語るのが筋だ。しかしながら、原作や他媒体同時展開の同名作品に触れたのであれば、比較することは可能である。原作や他媒体同時展開の同名作品で表現されていることが、アニメでは表現されていないことで、分かりにくくなったり印象が変わることはあり得る。もしくは、逆の場合で原作の雰囲気を損なう表現であったら、改変が過ぎると批判されるのは避けられない。いずれの場合も、原作や他媒体同時展開の同名作品との整合を比べているのであって、アニメ自体の良し悪しに対する評価は、アニメの中で整合が取れているかいないかであろう。名前こそ同じだが、媒体が変われば表現方法や印象が変わるのは当然であり、原作や他媒体同時展開の同名作品と同じ世界の話であっても整合が取れていない場合もある。媒体に合わせた変更が多いか少ないかは、他媒体でも共通して使える表現がなされているかどうかによるところが大きい。

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