『テレビまんが 昭和物語』第8話
夏休みの旅行が父の仕事の都合で中止になり、駄々をこねる公平。父の笑った写真を見せて旅行に行く気を起こさせようとするが、笑った写真は終ぞ見つからず落胆する。それを聞いた母は、自分宛に来ていた同窓会の招待状を思い出し、同窓会の行われる実家方面へ公平を連れて行く。電車の旅の途中で食べる峠の釜めしが美味そうだ。同じ車両のカップルを見て、母に滅多に笑わない父と結婚した訳を聞く公平に対し、思い出したかのようにはにかむだけの母が可愛らしい。その後公平は田舎の夏を満喫して蚊帳の中で昼寝をする。寝ぼけ眼にめかし込んだ母を見て驚く公平。そこに叔母が焚き付けるような語りで昔話をする。語られる若かりし頃の母親の恋と、同窓会での再開にやけぼっくいがと思った公平が暴走するも杞憂に終わる。母と父の馴れ初めの回想では、出兵する父の不器用な優しさに惹かれる母といった感じで時代を感じさせる。で、笑った写真が3枚だけあるとくれば、もう何の写真かは想像が付くもので、貴重な笑顔ゆえに効果抜群でグッとくる内容だった。
『バトルスピリッツ ブレイヴ』第35話
一行が突入した魔光殿では、本意を知っていながらも渋々に対応する女王をデュックの刃が貫いていた。そんな中で、体よくバリアが破られ、大挙して押し寄せた魔族達を前に、女王殺しの罪がダン達になすり付けられた。それを見て、反女王派の魔族が共通の敵の出現とばかりに翻る。そんな大衆の無責任さは人間から進化しただけあって似たようなものだ。形勢逆転の一手としてフローラが暗殺を目撃していた際の証拠映像を提示する。それに対して、捏造された映像まで用意してある周到さ。ジェレイドの卑劣なやり方に両親のことを覚えているか尋ねるユースだが、知らぬと一蹴されてしまう。それを聞いて心の底から怒るユース。地球リセットの阻止が最善だととくダンだが、最早群衆の怒りも限界点といったところ。そこで、ダンとデュックがバトルしている間に他の仲間が逃げるゲームが提案され、受けて立つ一同。バトルには勝たなければならない。だが、速過ぎる決着でも駄目と、さて、一行は無事逃げおおせるか、ダンのバトルは、で以下次回。
艶めかしさのあるババアだったが、男同士の熱いバトルの前には無くても問題ない存在ではある。社会や心理を上手く取り込んで、バトル内容が呼応するようになってきた。後は限界まで突き抜けるだけといったところか。
『DOG DAYS』第8話
レオ殿下と一部の家臣だけが知る忌まわしい予言の映像。それを変えるために今回の戦を仕掛けて動くのだが、そんな情報の差が決定的な溝となっているのと同じように、大戦と称して動員されたモブ兵士達が、名前ありの連中や予言の内容とは別次元で奮戦している姿との間にも溝がある。何というか、一騎当千であり、やられても服が脱げるだけで済むとか、風雲たけし城的な仕掛けや罠といった術もなく、大舞台の必要性がそれほど感じられない。それがドラマのネジの巻き方と反するように際立っており、ならいっそモブは背景に徹して名前ありの武将の周りに居るなってだけ写せよって感じに思える。何というか、キャラ押しなんだけど、今一つ煮え切らない。
『TIGER & BUNNY』第8話
折紙さん回。
前回からルナティックなる処刑執行人的ダークヒーローの登場に対し、ヒーローの信頼回復キャンペーンを行うことになった。虎徹はバーナビーと折紙サイクロンことイワンと一緒に彼らの母校であり、正統派ヒーロー養成機関であろうヒーローアカデミーを訪れる。訪れた先では、校長も鼻高々に優秀な成績のまま、鳴り物入りでヒーローに加わったバーナビーに対し、さほど印象に残っていないイワン。彼の同期には、殺人を犯した生徒がおり、その事件が影を落としている。先輩としてパフォーマンスに馴染めない二人をよそに、外野である虎徹は変てこな役に立たない能力を持った一団に囲まれて調子の良いことを言ったりといつも通りの様子。ヒーローに不向きな能力の折紙には将来を有望された友人がいた。それが件の事件を起こした生徒で、折紙さんは大した能力の無い自分がヒーローになった罪悪感を感じていて、虎徹が慰めているところに、件の友人が脱獄してきてってな展開ですわ。更に、脱獄犯であるためルナティックが処刑執行に現れて、友人を助けるために折紙の変身能力が役立ってと、繋がる内容でほんの少しの違いが人生を分けているところが、ルナティックの立場とも噛み合っていて、論理的に構成されている。勿論、その論理にはキャラの感情が伴っているので、ベタなのが返って良い。
『ポケットモンスター ベストウイッシュ』第32話
ライバルバトルの結果、ミジュマルが水の中で目を開けられない弱点を持っていると判明した。となれば、サトシさんも含めて修行ですな。そんなところに都合よく、ズルッグがモンスターボールに擬態したタマゲタケを見つけて「ずつき」で怒らせてしまう。結果、修行待ちの合間に食事に出ていた他のポケモンも含めて「どくのこなを」受ける。ポケモンセンターも近くになく、解毒できるのは近くの水の中の岩の奥にある草だけと、おあつらえ向きの状況。頑張るミジュマルを縄張り意識の強いガマガル、ガマガルに焚き付けられたオタマロやマッギョが邪魔をする。ベタな話なのだが、EDのポケモンいえるかなの最後でも存在感を発揮していたマッギョさんが良いですな。水系なのに電気技を放ったり、オーキド博士ですよねな鳴き声も含めてマッギョさんと呼ばざるを得ない。マッギョさんをデントが引き受けての釣り勝負で吊り上げられた時の見た目の印象がまた堪らない。まあ、ミジュマルはオタマロやガマガルに追い込まれつつも、水中でもお目目パッチリになってアクアジェットも余裕になりましたとさ。いやー、マッギョさんやね。
『俺たちに翼はない』第7話
ガルーダなる多重人格のというよりは、中二人格の王が降臨する。堂々とした態度なのだが、常識知らずというか聖ゆえに性に疎いといった具合で、街中でチーマー仲間と卑猥な言葉を連呼しながら闊歩し、果ては帰宅した自宅で妹を姫扱いして童貞を捨てたいといった内容を連呼する始末。稲田徹さんの渋い声で、性に疎い設定から発せられる卑猥な言語の数々が狙い過ぎで笑えた。まあ、最後は妹に本当の兄の人格に会いたいと言われ、奈落の底と称される心の奥底へと消えていくシリアスな展開もあるわけだが……。ガルーダの性格をさっと説明する形で一話で駆け抜けて本線に戻るのは、そこそこに愛着も感じさせて見応えがあった。
『Steins;Gate』第7話
岡部は、改良版電話レンジ(仮)を使って、Dメールで過去を改変する実験を思い付く。
紅莉栖がタイムパラドックスを気にするものの、討議の結果ロト6の3等の当選番号を1週間前の岡部自分に送ることになる。実に小心者な岡部らしい発想だが、送った直後に岡部は世界の歪む感覚に襲われる。そこにるかが現れ、1週間前に岡部に番号を教えられたが、間違って買ってしまったとのこと。先程まで無かったはずのドクトルペッパーが机の上に現れたことと合わせて、世界線の移動が起こった。つまりは過去が改変されたこと、改変できることが確信に変わった。実験に居合わせていたのに、何も覚えていない他の面々と違って、唯一はっきりと別の世界線での出来事を覚えている岡部。何から何まで中二病の乗りで突っ走っているが、そこに潜む危険や言いようもない迂闊さを感じずにはいられない。案の定、2ちゃん的な掲示板でジョン・タイターに公開質問する始末。が、返ってきた応えは、世界を導き、世界の救世主になって欲しいとな。
中二病患者なら、世界を救うだとか世界に大きな働きかけができるとなると、俄然突っ走ってしまいそうで、行き着くところまでいけば、本当に命が危ない。まあ、演者のテンポの良いやり取りで、和気藹々としている現状が、いつ崩れ始めるか。しかし、中二会話が楽しめているので特に問題ないが、ゆっくりとした展開で今の時代に真っ向から挑戦しているかのようだ。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』第5話
めんまに変装したゆきあつへと声を掛けるじんたんだが、めんまを引きずっているゆきあつにめんまが見えていると称することの意味が見えていないだけあって物別れに終わる。痛い奴状態になってしまったゆきあつに対し、特に何も声を掛けないつるこ。ゆきあつは女装を罵られた方がましだったかもと話すことで少し吹っ切ったように見えた。その後、駅ですれ違ったあなるの様子を察し後を追いかけることに。この辺の察し方がイケメンっすわ。案の定、男グループとカラオケに誘われ、生け贄に差し出された形でホテルに連れ込まれそうになっている所へ申し分ないタイミングで登場する。無事に済んだものの、かつて全てを持っていたじんたんと入れ替わる形となったゆきあつのめんまだけが足りない苦悩が滲み出ていた。それが、サブタイトル通りトンネルを抜けることで新たな心情への変化の過程として機能していた。切なさ押しですな。
『逆境無頼カイジ-破戒録篇-』第6話
借金の返済も終わり、いよいよ賭場の開帳日。沸き立つ囲みを尻目に集う45組。班長よりカイジへと直接対決の声が掛かる。大きな張りでの勝負を求め親番が2回と青天井であることを強く念押しする。しかし、1回目は少額、2回は更に少額の張りをするカイジの勝負を見て場が白け始める。浮足立つ45組だが、カイジの事前指示の回想を挟みつつ思い留まる。勝負を引こうとする班長に対し、カイジは残り全額を張る。その上で更に親番が2回と青天井であることを確認する。確認に応えたのを見て、45組に集合を掛ける。その上で更に強く念押しする。そして張られる45組全員の全額勝負。50万7千の勝負に対し、正にサブタイトル通りの熱風が到来しての引き。周到な準備も含め、勝負の熱気がこれでもかと凝縮された展開で続きが早く見たい。
『花咲くいろは』第7話
巴さんが人生の岐路に立つ話。実家から見合いを勧められ、高校時代の友人の中で結婚していないのは自分だけとなった巴さん。喜翆荘での仕事を辞め、実家に帰ろうと考える。そうなると、問題は如何にして辞めるのか。そんな折、サバゲーマニアで少々困った常連客の一行がやってくる。早速緒花達十代の仲居に目を付け偵察、尾行を始めて彼女達を恐怖させる。辞めることが切り出せずにいる巴は、彼らをぞんざいに扱うことで首になろうと考える。対するサバゲーマニア達はというと、鬼軍曹現るとばかりにやることなすこと喜ぶ始末。果ては、女風呂へと進軍しようとする彼らを実力排除までやってのけるのだが、それさえもおもてなしとなってしまう。そのことで仲居頭として後輩にも尊敬され、満更でもない気になり『西部戦線異状なし』のパロディのサブタイトル通り、何事もなく元の生活へと戻っていくのであった。今回は、ウィスパーと躍動感の相乗効果が楽しく、そして可愛かった。まあ、こういう本筋に関係なさそうでやりたい放題している話が、全体で一番面白かったりすることはままある。
『たまごっち!』第79話
Aパートは、スペイシーブラザーズの秘密がついにばれる話。いつものようにこっそりしているつもりでたまごっち星征服の計画を考えるスペブラ達。ただ、今回は噂の伝道師うわさっちがそれを耳にしていた。勝手に想像を膨らませ恐怖するうわさっちは、なちゅらっちの頭のカメラで証拠写真を撮ろうと考える。まあ、そこはナチュラルから連想されるなちゅらっちの性格もあって、見当違いのところばかり気を取られて写してしまう。別に撮られたところで、前に飛んで行った放送室で三人が身を寄せ合って慎ましく暮らしているだけで、本当にまじめだけが取り柄のちっぽけな奴なのだが……。だから、中二っぽい発言をしているだけで、何だか憎めない奴らなのだなと。今回の宇宙人バレは、今後も話を組み立てられそうな予感がする。
Bパートは、ヒーローっちとマドンナっちのずっこけコンビが「GOTCHIMAN VS あんぱん刑事」の企画を妨害する話。「GOTCHIMAN VS あんぱん刑事」の企画が会議で通ったとの話を立ち聞きしたずっこけコンビ。企画を滅茶苦茶にするためにあれこれ画策する。最後は、構成台本に苦闘する脚本家の元を訪れ、やりたい放題する内容を助言した結果、無茶苦茶になったのは別のスタジオの全く別の番組だった。当の企画はというと、番組対抗クイズ番組だったとさ。予定調和の落ちに、悔しがるマドンナっちが可愛いことも予定調和。こちらも憎めない連中だ。
『ジュエルペット サンシャイン』第6話
Aパートは、調理実習でのクッキー作り。花音の作ったクッキーはうんこ型、ルビーの作ったクッキーは血だらけと焼き上がりでよくある失敗を活かしてベタな笑いに持ってきてある。流石に、直球でうんこを出されると吹いたわ。で、誤魔化して市販のクッキーを買ってきて、料理は心だよと諭され、最後は魔法で仕上げた花音のクッキーを御影に食べてもらえて綺麗に落ちを付けるかと思えば、形のあんまりなルビーのクッキーは受け取ってもらえずと現実の非情さで二段落ち。料理時の花音ちゃんのポニテに結んで気合を入れる姿が可愛い。
Bパートは、イルカ先生がラルドさんの恐ろしさを体感する話。ジル先生に声を掛けられ調子付いたイルカ先生は、ふてぶてしい態度のラルドに対して注意する。それを見たクラス中が凍り付いてしまう。ラルドさんと呼ばれるラルドには一体どんな秘密があるのか。ラルドさん伝説を聞かされビビりまくるイルカ先生を中心に話は進む。いよいよ放課後となり、夕日を背に雄々しく大地に立ち、イルカ先生の元へと迫りくるラルドさん。ビビりまくるイルカ先生は、立場も忘れごめんなさいをしてしまうのだが、結果はモフモフ最強伝説がありましたとさ。次の日、そこには元気にラルドさんと呼ぶイルカ先生の姿があった。モフモフの触り心地は最強やね。それだけのことなのに、引っ張り方や雰囲気の出し方が上手かった。
『バトルスピリッツ ブレイヴ』第34話
女王に不満を抱く魔族達が大挙して魔光殿に押し寄せる。それを防ぐは守備隊隊長メムノン。メムノンやメムノンの巨像といったものを想起させる名に相応しき活躍で魔族達を退ける。ソフィア号やセンチュリオン号もその例外ではなく、人間に寝返ったと噂されるバローネは女王への面会を拒否される。そこでバローネは心の内を見せるため、メムノンにバトルを挑む。圧倒的な守備重視の布陣を敷くメムノンに対し、バローネは守備的な性質を持った白のスピリットで攻める。守るだけでは勝てないを体現したバローネが勝利し、メムノンは曇りなき心を認め魔光殿への進入を許すことに。時同じくして、女王に対し白々しくも三国同盟に全権を委ねて落ち延びるよう促すザジとジェレイド。見え見えの下心に対し、引かぬ女王。そこへデュックが現れと、いやがうえにも緊張が高まってくる。
『神のみぞ知るセカイII』第5話
憂鬱な月曜日に、天敵ともいえるちひろの強烈な言に打ちのめされる桂馬。リアルがどうだと抜かしたところで流石に凹む。ちひろをヒロイン属性的にモブキャラだと決め見ないふりをしていたところで、駆け魂さんがこんにちは。ごくふつーの女の子、いわばリアル女の代表とでもいうべき彼女を相手に攻略する気の起きない桂馬。それどころか、リアル断ちをしたことで腹ペコで行き倒れてしまう。そこに現れたのは、以前攻略した歩美。と、流れは出来ているものの、丸一話掛けて凹まされる姿やどう考えてもヒロイン臭のする女の子をモブと言い張る姿を見せられるのは少々どころか、こういった作品の抱える弱点を長時間晒すことになっていた。
だってさ、あんな可愛い声の子がおったら、ワシなら一目置くぞ。しかし、毎度ながらエルシィやヒロインが可愛いのう。オッケイ。
『よんでますよ、アザゼルさん。』第6話
天使と称する冴えないおっさんが登場。見て見ぬふりと折り合いを付けるための妄想かと思われる状況で進行する。体よく客引きに引っ掛かり、バーに入店する。ぼったくりの予感もしたが、そこには人間関係と社会的信用を完膚なきまでに破壊されたことで支払いをバックレようとした依頼主と、グリモア片手にボトルをラッパ飲みする佐隈さんの姿があった。妄想の体で進行しているが、悪魔を察知したかのような台詞もあってので、天使と悪魔が同居するバーは不思議な空気に包まれた。このもしかしたらという空気は大したもので、コントを繰り広げる悪魔連中の所からグリモアが天使のおっさんの元へと渡る。その結果、グリモアを天界へと持っていかれ、モロクが消滅してしまった。あれ、意外とガチだったか。しかし、酔った佐隈さんも可愛かったし、深刻な空気とキャラの見た目が合わないのもあって、まあいっか。今回は、最終的にお別れENDもあり得るということがよく分かった。
『電波女と青春男』第2話
電波との同居に迷惑と思いつつも、綺麗なので満更でもなかったり。で、学校では早速クラスメイトの流子や前川といった女の子と一緒に下校したり、粉が掛かったりと美味しい展開が満載。一通りの登場人物と今後の展開を予見させる顔見せなのだが、それが終わって再び電波女の番と。自転車の前かごに積んで海岸に出掛けた主人公はエリオの自称宇宙人のきっかけとなった事件を知ると。まあ、事件の謎の部分が今後の伏線になるかはさておき月下に映えるエリオが可愛いから、たぶんどうでも良くなりそうな感じ。しかし、青春ポイントは女の子に囲まれた生活で文句なしのプラスだろうに。何だかね。
『GOSICK-ゴシック-』第16話
ヴィクトリカが消えた。灰色狼の村での予言が九条の頭を過る。ヴィクトリカはブロワ侯爵によって「ベルゼブブの頭蓋」と呼ばれる修道院に幽閉されていた。オカルトと科学が攻め合っている世界観にあって、空にマリア像が現れる奇跡が起こったとされる場所だ。ドリル兄さんの計らいにより、そこで開かれる秘密の夜会、ファンタスマゴリアの招待状を受け取った九条は迎えに行くことにした。決意の旅は、さながら決戦前夜といった様相だ。修道院では、ヴィクトリカと彼女の母親を見間違えたり、出会った不思議な人物が実はブロワ侯爵であったり、と、最終局面へ向けて登場人物も含めた準備が整いつつあるといった所。
母の愛もあったものの、一番気になるのは二人の気持ちの通い合いだ。いつか必ず訪れるであろう別れの運命を変えられるかは、この作品にとっての見せ所だろう。二人が離れる度に互いの繋がりを深くすることで、より一層離れがたくなる。振りではなく、本当に命懸けで添い遂げるような絆を感じさせられる。捻くれているけど、そういうのには弱い。誰が相手かは別として、可愛い人、美しい人は幸せでないとね。
『逆境無頼カイジ-破戒録篇-』第5話
前回45組が結束した。借金生活脱出のため、少ないペリカを共有して嗜好品を分け合って凌ぐ生活を始める。そんな中で、班長達から45組へ向けて、地味なことから命の危険まで、ありとあらゆる決意を挫く嫌がらせが繰り広げられる。豪華な食事を分けてやると言われても本当に冷や水を浴びせたり、元の給料に戻った時も目の前で中身を改めたりと、不遜で挑発的な態度を取り続けるカイジ。怒りを貯め込んで貯め込んでから、逆襲するまでの流れが、実際は班長もカイジの不遜な態度に怒りを貯め込んでいる訳で……。一話使って立場上の優位でいびり倒され、イカサマで揺るがない相手の勝利、そこにある相手の慢心を釣り出すための布石。そうして思う壺に嵌めに行く、そのために屑を束ねる。ある意味、これも凄い才能だ。いやはや見入ってしまった。
『たまごっち!』第78話
Aパートは母の日用のケーキの材料探しの話。ぺろっちは、見た目がケーキの被り物にそっくりな低学年のたまごっち。確かにぺろっとしたくなるお姿。ぺろっちがベリベリ高原にたまベリーを摘みに行く所に出くわしたちゃまめっち達は、一緒に行ってケーキ作りをすることにした。ベリベリ高原は子供が行くには少々遠い所にある。一行は、やっと辿り着いたたまベリーの木から摘み立てを食べてみると、あまりの美味しさで止まらなくなってしまう。しばらくたって満腹になった一行だが、そこには丸裸になった木があった。泣き出すぺろっちだが、たまペットのベリっちが何かを見つけたようで後を追ってみると、崖の下には一面たまベリーの木が広がっていた。本当のベリベリ高原を見つけられた一行は、たまベリーを摘んで帰ることが出来て、それぞれの母の日のプレゼントケーキが出来上がるのでありました。どのケーキも本当に美味しそうで、頑張って摘んできた甲斐のある良いものが出来上がっていた。こういう話には弱いんだよね。
Bパートはメロディっちの母の日のプレゼントの話。遠く離れて暮らす母に何か贈り物をしようと考えるメロディっち。相変わらず良く出来たお子様だが、しっくりくるプレゼントが見つからない。心を込めて贈ったものなら一番だとのまめっちの言葉を受けて決めたプレゼント。そう、困った時の推し玩具。今は、たまもりですな。たまごっちタウンで出来た新しいたまともとの集合写真にあれやこれやをデコ、もといたまもったものを贈ることにした。離れて暮らす娘のことを気に掛けている親御さんにとって、打ち解けて楽しく暮らす娘の姿ほど嬉しいものはなかった。それを見て、涙する姿。思わず、こちらも潤っちゃいました。
母を思う二本立てでした。
『青の祓魔師』第4話
しえみなる分かりやすいヒロイン登場。かと思いきや、彼の人は弟の方にご執心の様子と、少し読み筋を外して来るところが気持ち良い。罪悪感に付け込んだ草の悪魔との契約によって、文字通り蔓に縛られている状況が足にも表れており、同じような罪悪感を持つ主人公とも重なっている。ただ、似たような状況ながらも、受け止め方の違いが対比されている。結果、主人公の行動を通して状況が打開され、影響を受けて塾へと入学することを決意させる。切磋琢磨といった具合で、主人公の意欲に刺激され呼応する形にもなっており、兄弟の間のわだかまりをも断ち切る形になっている。設定や心理は現代的なメタを意識しているが、内容は王道一直線でとても分かりやすく素直だ。この枠の作品にしては、一体全体どうしたことか。

1 2 3 4 5 6 7 8 >

 
okm

この日記について

日記内を検索